JR北海道は28日、国土交通大臣へ留萌本線留萌~増毛間(16.7km)の廃止日を繰り上げる旨の届出を行ったと発表した。繰上げが認められた場合の最終運行日は12月4日とされている。

留萌本線増毛駅。留萌~増毛間は12月5日廃止(最終運行日は12月4日)となる見込みに

同区間については昨年8月、年間約1億6,000万円以上の赤字となっていることや、大雨による土砂崩れが起こりやすく、対策に数十億円を要する見込みであることから、沿線自治体(留萌市・増毛町)に対して鉄道事業廃止の計画を提示していた。その後、鉄道事業廃止にともなうJR北海道から沿線自治体への支援などについての協議がまとまり、廃止の同意を得られたことから、今年4月に国土交通大臣宛に留萌~増毛間の鉄道事業廃止届出書を提出した。

廃止届出書では2017年4月29日を廃止予定日としたが、鉄道事業法の規定にもとづき北海道運輸局が6月に実施した意見聴取において、JR北海道は廃止日の繰上げを実施したいと陳述。6月23日付で国土交通大臣から、「廃止日を12月5日に繰上げても公衆の利便を阻害する恐れがない」と認める旨の通知を受け取ったという。

これを受け、鉄道事業法第28条の2第5項にもとづき、留萌本線留萌~増毛間の廃止日を12月5日に繰り上げる旨の届出を6月28日付で提出したとのこと。JR北海道は書面で、「沿線自治体の皆様には、廃止提案以降、真摯にご協議いただき、線区の状況や弊社の経営状況をご理解頂いた上でご決断を頂いたことに改めて御礼申し上げます」とコメントを発表している。