東京メトロ銀座線1000系を使用した特別列車「メトロワンダフルトレイン」の乗車イベントが19日に開催された。特別列車は上野検車区から銀座線を走行し、渋谷車庫で折り返して新橋駅「幻のホーム」へ。車内で各種イベントも実施された。

新橋駅「幻のホーム」に到着した銀座線1000系「メトロワンダフルトレイン」

東京メトロとアサヒ飲料は「がんばるお父さん、お母さんに『ありがとう』を伝えよう! メトロワンダフルトレイン出発!」と題し、小学生以下を対象に「お父さん、お母さんへの感謝」をテーマにメッセージイラストの募集を行った。あわせて応募者の中から抽選で200名を「メトロワンダフルトレイン」乗車イベントに招待(参加は保護者同伴)することも発表。父の日でもある6月19日に運行されることになった。

メッセージイラストの優秀作品は、6月6日から東京メトロの電車内ポスターに掲出されているとのこと。19日に運行された特別列車「メトロワンダフルトレイン」では、全車両にメッセージイラスト入りポスターを掲出した銀座線1000系1編成(1001~1101の6両編成)を使用。渋谷方先頭車(1101)にヘッドマークも取り付けられた。イベントに招待された親子らを乗せた特別列車は9時55分頃、上野検車区を発車した。

「メトロワンダフルトレイン」の発車を前に、上野検車区で記念撮影

渋谷方先頭車(1101)に「メトロワンダフルトレイン」ヘッドマークが掲げられた

「お父さん、お母さんへの感謝」がテーマのメッセージイラストの優秀作品がポスターに採用され、車内に掲出された

発車前に大道芸人によるパフォーマンスも

上野検車区を発車し、日本唯一の地下鉄踏切を通過

お笑い芸人・ひよしなかよしがイベントに参加。「駅乃みちか」ら東京メトロのキャラクターとの記念撮影も行われた

発車直後に日本唯一の地下鉄踏切を通過し、地下に入って上野駅へ。その後はほぼノンストップで銀座線を走行した。車内ではお笑い芸人・ひよしなかよしや、東京メトロのキャラクター「駅乃みちか」「メトポン」が登場し、参加者と交流していた。通過となる外苑前駅・表参道駅・渋谷駅のホームでスタッフが文字入りのカードを掲げ、参加者がカードに書かれた3文字を当てるクイズも行われた。

渋谷車庫では折返し運転のため、運転士・車掌が1~6号車の車内を通行。子供たちが運転士に「がんばって!」と声をかける場面も見られた。渋谷車庫から新橋駅へ向かう途中の車内では、子供たちが描いたメッセージイラストをカード化し、両親へ手渡す「ありがとうカード贈呈式」も行われた。銀座線での1時間程度の走行を終えた特別列車は11時頃、新橋駅「幻のホーム」へ入線した。

渋谷車庫までの走行中、通過駅のホームで掲げられたカードの文字を当てるゲームも実施

渋谷駅を通過して渋谷車庫で折り返し、目的地の新橋駅「幻のホーム」へ

「幻のホーム」も含め、新橋駅は今後のリニューアルが予定されている

新橋駅「幻のホーム」は、銀座線の前身が2つの異なる事業者(新橋~浅草間は東京地下鉄道、渋谷~新橋間は東京高速鉄道)だった時代の名残といえる設備で、実際に旅客列車の発着に使用されたのは東京高速鉄道だった頃の8カ月間(1939年1~9月)のみ。現在は一般公開されておらず、駅関係諸室や夜間の留置線として使われているという。イベントの参加者らも、意外な場所に「幻のホーム」があったことに驚いた様子だった。