野村総合研究所(NRI)は6月13日、主として金融機関向けに、ASP型の多目的管理システム「VOLCS(フォルクス)」の提供を開始したと発表した。

多目的管理システム「VOLCS」の提供サービスイメージ

同サービスは、基幹系などの現行システムでは対応が難しい仕組債や店頭デリバティブの「期日管理」と、金融取引や企業活動から派生する「資金管理」の2つの機能を持つ。それぞれの機能は単独に利用可能なため、金融機関以外の企業も、目的に合わせて利用できる。

「期日管理」機能では、仕組債や店頭デリバティブの期日管理において必要な日々の利金・償還金計算、複数の判定条件をにらみながらのオプショナル条項のモニタリング、海外休日の変更情報入手と自社の取扱銘柄への影響有無の確認といった、複雑な金融商品の期日管理の負荷を低減することができる。また、さまざまな契約タイプの仕組債や店頭デリバティブの取引を汎用的な仕組みにより、システム登録して期日管理することができるため、新商品の追加に伴うシステム改修コストを抑えることが可能だという。

「資金管理」機能を利用すれば、社内に散在する資金データを一元管理し、迅速な資金繰りと正確な資金決済を支援できる。同機能によって資金管理業務の標準フローを提供することにより、業務の効率化に加え、資金の流動性リスクや、オペレーショナルリスクの低減に貢献するほか、社内システム間のインタフェースや、ファイルアップロード、画面入力を通して、資金管理に関連するすべてのデータを容易に収集・集約することを実現する。