ソニーが、東京・銀座のソニービルをリニューアルする「銀座ソニーパークプロジェクト」を発表した。これに合わせ、本稿ではソニービル銀座の今までとこれからを写真を交えてまとめていく。

オープン当時(1966年)のソニービル。スクランブル交差点がなく、周りに高いビルも少ない

1964年、ソニービルの建設が始まった当初の写真

建設中の写真。1965年のものだ

2016年はソニー創業70周年、ソニービル開業50年目となる節目の年だ。6月13日に発表された計画によると、ソニービル銀座は2017年3月31日に営業を一旦終了。その後、ビルを解体して平地に整備し、訪日観光客の増加が見込まれる2018年から2020年の間は「銀座ソニーパーク」としてスペースを開放する。銀座ソニーパークは、ソニーが提供する様々な感動を体験できる場にするという。

「銀座ソニーパークプロジェクト」が発表された6月13日のソニービル。この日は朝から雨だった

2018年に開業する銀座ソニーパークのイメージ

なお、ソニービルの営業終了に先立ち、ソニーショールームおよびソニーストア銀座は2016年8月28日に、ソニーイメージングギャラリー銀座は2016年9月8日に営業を終了。いずれも9月24日から銀座4丁目交差点にオープンする「GINZA PLACE」ビル内に移転し、4~6階の3フロアで営業を行う。また、東京五輪終了後の2020年秋以降にビルの建設を開始し、2022年秋に新ソニービルとして営業を再開する予定だ。

ソニー関係者は「7年がかりで、ソニービルのリニューアルを進めていくことになる。銀座・数寄屋橋の地から世界に向けて、人々の好奇心を刺激し、お客様に感動をもたらすソニーの魅力を発信していく」と語る。

銀座ソニーパークプロジェクトの大まかなスケジュール。2022年に新ソニービルがオープン予定だ

GINZA PLACEビル

ソニーにとって、顧客との接点となっていたソニービルのリニューアル。50年間にわたり、銀座の顔としての役割を果たしてきたビルの解体を惜しむ声も多いだろう。しかし、9月からはGINZA PLACEでソニーショールームおよびソニーストアが継続的に営業を行い、同ビルにも「SONY」のロゴが入ることを考えると、今回のリニューアルは銀座からの撤退ではないこと、そしてソニーは、これからも常に銀座に存在しつづけることを表明したといえる。

ソニービルは1966年4月29日に、ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏が、「東京・銀座の玄関として、ソニー本来のショールームとともに、より有意義な建物を建設すべき」との考えに基づき開業した施設だ。その精神を受け継ぐのが新ソニービルであり、「銀座ソニーパークプロジェクト」では、ソニーが長年培ってきた創造と挑戦の理念を受け継ぎながら、新たな感動を提供する場になると説明している。

ソニーの平井一夫社長兼CEOは、「銀座ソニーパークプロジェクトは、成長に向けて変革を続けるソニーを象徴する、非常に大きな意味を持つ事業。『人が見たことのないものを作ろう。これまでになかった感動を作り出そう』という、ソニーの創造と挑戦の理念は、ソニービルという場においても引き継がれていく。このソニーらしいチャレンジを通じて、感動や驚きを届けていく」とコメント。

また、全銀座会銀座街づくり委員会の岡本圭祐委員長は、「ソニービルは、伝統を大切にしながらも常に新しさを発信してきた銀座とともに50年間を歩んできた。今回のプロジェクトは、銀座がより活気づくための街にとって極めて大きな貢献であり、それに感謝する。銀座ソニーパークと新ソニービルは、人と人とのふれあいの場として、銀座の新しい名所となることを期待している」と述べている。

ソニービルでは2017年3月31日まで、ソニービルの歴史を写真で振り返る展示などを8階のコミュニケーションゾーン「OPUS」にて実施する。詳細は、今後Webサイトで告知される。

ここからは、現在のソニービルを写真でレポートする。

1階のソニーショールーム入口の様子

1階フロアはフィーチャードゾーンとしてh.earとウォークマンを展示

盛田氏の要望で当時最速のエレベータを設置したという逸話がある

4階・4Cエリアはソニーストア銀座。商品を実際に購入できる

4Dエリアはソニーストアのツーリストフロア。英語および中国語が話せるスタッフが常駐する

5月20日にオープンしたイノベーションラウンジ。SONYのロゴが椅子になっている

Life Space UXのコーナー。具体的な利用シーンを提案

6階のソニーイメージングギャラリー