日本の子育てにびっくりしたことはありますか?

言葉や文化が違うように、その国によって方法が異なる子育て。海外と比較してみることで、日本の子育てのよさや課題が見えてくることもあるだろう。今回は、日本在住の外国人20人に「日本の子育てで驚いたこと」について聞いてみた。


Q.日本の子育てにびっくりしたことはありますか? 具体的に母国とはどう違いますか?

食事や教育の方法に違い

・「日本の親は子どもに対してきちんと日本のマナー(お辞儀、あいさつ、お礼)などを教えていることです。ロシアはなかなかそういう習慣がないので驚きました」(ロシア/20代後半/男性)

・「自分の手で食事をさせることです。母国では6歳の子どもも親が食べさせます」(バングラディシュ/20代半ば/男性)

・「日本の子どもたちは1人で学校へ通うということにびっくりしました。ブラジルでは治安が悪くて小さな子どもが自分で学校へ行くことは珍しいです」(ブラジル/40代前半/女性)

・「日本では離乳食を始めるのが早くて、食事の習慣訓練も早いと思いました」(ベトナム/30代前半/女性)

親たちの働き方に驚き

・「母親は子育てをするのに仕事をやめざるを得ないケースがあるということにビックリしました」(イタリア/30代前半/男性)

・「子持ちのワーキングママたちも遅くまで残業するのがびっくりです。シンガポールの方が、お母さんたちのための待遇やサポートシステムが優れているような気がします」(シンガポール/20代後半/男性)

・「日本の仕事の多くは残業が多い上に休日出勤もあると思うので、子育ての時間がちゃんとあるかどうか自体がよくわからないです。そこが一番びっくりしたかもしれません。カナダでは一般の仕事は17時や18時に終わって、その後の時間は家族と一緒にいられるし、休暇を取るのもそんなに難しいことではないので、いわゆる『ファミリータイム』が多い方だと感じます。外で遊ぶところも多いと思います」(カナダ/30代前半/女性)

父親や周囲のサポート、足りないのでは?

・「日本は周りに迷惑をかけないために、1人で何とかがんばろうという人が多いように感じます。韓国はもう少し気軽に両親や親戚などに頼ったり、市のベビーシッターサービスなども利用したりしていると思います」(韓国/30代前半/女性)

・「日本ではやはり母親のほうが面倒を見ることが多いと思います。それと比べると、香港では両親一緒に面倒を見るので、お母さんの苦労が軽減されます」(香港/20代後半/女性)

・「多くの場合、父親が子育てに参加していないと思います。ウクライナでは、両親が2人で子育てをすることが多いように思います」(ウクライナ/20代半ば/女性)

子どもにびっくり!

・「子どもは真冬でも薄着で、びっくりしました。台湾のほうが、子どもが冬に厚着していると思います」(台湾/40代後半/女性)

・「スペインと違って日本の子どもたちはかなり素直だと思います」(スペイン/30代前半/男性)

子育て環境、制度について

・「衛生について大変気を使っていて、やり過ぎている人もいるように思います。マレーシアでは日本みたいにやりません」(マレーシア/30代半ば/女性)

・「日本で子育てをしてみてとてもびっくりしたのは、子どもを連れて行くと、場所や場面によって迷惑がられたことです。幼稚園をたてる際、騒音が問題になるとニュースで知り、驚きました」(フィリピン/30代半ば/女性)

■総評

「正しい子育て」という正解は存在しない。しかし外国人から寄せられた指摘の中には、傾聴に値するものもあるのではないだろうか。いずれにせよ、子どもたちが健やかに育ち、幸せな生活をおくれるような子育て環境が作れるよう、親だけでなく、社会全体で力を尽くしていきたいものだ。

調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート

※写真と本文は関係ありません
※アンケートの結果はあくまで回答者個人の見解・認識によるものです