俳優・松坂桃李と菅田将暉が、音楽グループ・GReeeeNの代表曲「キセキ」が生まれるまでの物語を描く映画『キセキ -あの日のソビト-』(2017年新春公開)で、W主演を務めることが3日、発表された。

映画『キセキ -あの日のソビト-』でW主演を務める松坂桃李(左)と菅田将暉 (C)彦坂栄治 (C)□忠之(□はさんずいに首)

同曲は、2008年にリリースされ、ギネスに「日本で最も売れたダウンロード・シングル」として認定されるほどの大ヒットを記録した。本作は、家族や仲間との衝突しながら自分の進むべき道を切り開いた、グループの全楽曲のプロデュースを務めるJIN(ジン)と、リーダーのHIDE(ヒデ)たち兄弟の体験を基に、同曲の誕生秘話を描いた青春ストーリー。2人の青春期の実話を切り取って、物語として展開する。

松坂はJIN役を、菅田は兄のHIDE役を、それぞれ務める。2人は4度目の顔合わせになるが、初の兄弟役で、W主演となるのも今回が初。『海街diary』(15年)などの是枝裕和監督作品の助監督を担当してきた兼重淳監督がメガホンを取り、斉藤ひろし氏が脚本を執筆する。なお、タイトルとなっている"ソビト"は、同グループの造語で、「素人あるいは空人、自由に新しいことに挑戦していく人」を意味している。

最初は映画のイメージをうまくつかめなかったという松坂。しかし、実際に2人に会った際に、その人柄に引かれ、「お2人から出てくるエピソードのどれもが本当に興味深くて、感動もあり、なるほどこれはきっと面白い物語になるだろうと理解しました」と感慨を口にする。

自身が演じるJINについては、「人を引きつけ、運気を上げてくれそうな"パワースポット"のよう」と表現。劇中で昔のバンド時代も描かれることから、「僕にも歌うシーンがあります」と打ち明け、「役としてしっかり歌うのは初めてで苦戦していますが、JINさんからも『楽しんでやってください』と言っていただいて、心強く思っています」と喜びを語っている。

一方、菅田はGReeeeNを「素顔を公表していないので、その実態は知られていないけど、曲は誰しも知っている」と称賛。そんなグループのメンバーを演じるのは、「今生きている実在の人物を演じる上でも、僕にとって異色の経験」と身構える。

それでも、彼らの学生時代や結成当時の姿を「世の中に伝える役目を担えるというワクワク感があります」とアピール。歯科医とアーティストを両立させることの難しさを想像しながら、「なぜ、どうやってその形になっていったのか、そこにはどんな家族や仲間がいて、どんな"キセキ"があって今こうなっているのかという経緯がすごく面白かったので、それを映画で表現するのが楽しみです」と意気込みを表した。