ネットアップは5月31日、NECが提供するファイルサーバ統合管理ソフトウェア「NIAS(NEC Information Assessment System)」とネットアップの提供するクラウド統合ストレージ「NetApp AltaVault」を組み合わせたクラウドアーカイブソリューションの提供を開始したと発表した。

クラウドアーカイブソリューションの利用イメージ

クラウドアーカイブソリューションは、ネットアップのクラウド統合型ストレージとNECのファイルサーバ統合管理ソフトウェアを組み合わせることで、組織がオンプレミスで保管している利用頻度の低い非活性なデータなどを、事前に策定したポリシーに基づく自動アーカイブ化を通じ、安価なパブリッククラウド上に保管できるようになるため、データ保管コストを最適化が可能だという。

また、NetApp AltaVaultのインラインの重複排除と圧縮の機能により、パブリッククラウド上に送るデータ量を抑えることができるため、さらなるコスト削減が可能になると同時にデータ暗号化機能を通じ、パブリッククラウド上に安全にデータを転送・保管できるという。

クラウドアーカイブ ソリューションの主な特長として、オンプレミスに保管しているデータの利用状況の可視化、ポリシー設定によるデータの自動整理、データの重複排除や圧縮による関連コストの削減、データの暗号化によりパブリッククラウドに安全にデータを保管できることなどが挙げられる。

オンプレミスに保管しているデータの利用状況の可視化は、NIASの容量増加シミュレーションにより容量不足日を予測できるとともに長期未参照、データの重複、巨大ファイルなど、データ量の肥大化要因の把握を可能とするほか、ポリシー設定によるデータの自動整理は長期にわたって更新やアクセスの無いデータなどを、NIASで事前に設定したポリシーに基づいて、該当データを削除したり、自動でパブリック クラウド上のアーカイブ領域に移行できる。

また、データの重複排除や圧縮による関連コストの削減ではNetApp AltaVaultによるインラインの重複排除と圧縮によりデータ容量を最大30分の1に圧縮できるため、パブリッククラウド上でのデータ保管コストを抑えられることに加え、パブリッククラウドへのデータ転送時間を最大75%短縮するという。

さらに、データの暗号化によりパブリック クラウドに安全にデータ保管では、NetApp AltaVaultが備えるFIPS 140-2レベル1準拠のAES256ビット暗号化機能により、保存中または移動中のデータにエンドツーエンドのセキュリティを提供するとしている。

なお、クラウドアーカイブソリューションのシステム構成は、オブジェクトストレージ(パブリック クラウド)がAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft AzureなどNetApp AltaVaultが対応するパブリッククラウドサービス(AltaVaultにより転送されたデータを格納)、ファイルサーバ管理ソフトウェアがNIAS(ファイルサーバ利用状況の可視化、アーカイブ対象をポリシーに基づき自動でパブリック クラウドに移動)となる。

加えて、クラウドゲートウェイがNetApp AltaVault(NIASにより抽出されたアーカイブ対象ファイルを圧縮/重複排除かつ暗号化しクラウドへ転送)、ゲートウェイサーバがNEC Express 5800(NetApp AltaVaultおよびNIASが動作するサーバ)となる。