シマンテックは5月31日、子供を有害サイトや不適切なコンテンツから保護するためのクラウド型サービス「ノートン ファミリー」について、現在のWindows版・Android版に加えiOS版の提供を発表した。すでにApp Storeでの配信が始まっている。

子供のスマホ、懸念ありながらも「対策なし」68%

ノートン ファミリー iOS版は、子供のiOS端末で専用アプリを使用することで、Webサイトへのアクセス・検索・動画の視聴履歴などを親がクラウド上で確認できるサービス。

同日行われた発表会では、ノートン事業統括本部 マーケティング部 古谷尋氏が登壇。同社が行った「ノートン サイバーセキュリティインサイトレポート 2015」の結果より、日本では世界平均に比べて子供のインターネット利用に関する対策が不十分であることが紹介された。その反面、子供のオンラインでの行動に懸念を感じているにもかかわらず、セキュリティに何の対策も講じていない親は68%に登るという。

シマンテック ノートン事業統括本部 マーケティング部 古谷尋氏

内閣府の調査によると、高校生では9割以上、小学生でも約1/4がスマートフォンを使用している

世界平均に比べ日本の親は子供のインターネット利用に関する対策が不十分

これについて古谷氏は、「宿題を終えてから」「(ネットいじめなどの)悪いことはしない」といった約束事については、理解してルールを守るよう対話を行うことも大切だと述べた。

68%の親が子供のオンラインセキュリティに対策を講じていないという調査結果が

ノートン ファミリーは以前よりWindows版・Android版が提供されていたが、新たにiOS版が加わることについて古谷氏は「特にiOSのシェアが高い日本において同サービスを提供することに特別な思いを感じている」という。

フィルタリング、位置情報などを保護者がポータルページで管理

発表会ではデモを交えて機能の紹介が行われた。ノートン ファミリーでは、保護者がサービスポータルページでフィルタリングなどの設定を行い、子供の端末にダウンロードした専用アプリをブラウザとして用いることで、アクセスするサイトを監視する。このため、事前にデフォルトのブラウザであるSafariの使用を制限しておく必要がある。

子供の端末で「設定→一般→機能制限」を開き、パスコードを設定して「Safari」をオフに

ホーム画面にSafariのアイコンが表示されなくなる

フィルタリングの設定は保護者がポータルページから行う。対象年齢ごとに一括して遮断するカテゴリを指定。また、個別に遮断するサイト・許可するサイトの指定も可能。

ポータルページでフィルタリングを設定。対象年齢を選択すると遮断するサイトのカテゴリを一括で指定できる

子供の端末から禁止されたコンテンツにアクセスしようとすると、保護者へメールで通知されるが、個別に許可を求めることもできる。この機能は無料のベーシック版でも使用できる。

ノートン ファミリーのブラウザからは、遮断されたカテゴリのサイトを閲覧できない

さらに有料のプレミア版では多くの機能が提供される。位置情報の取得機能では、端末の位置情報を15分ごとに取得してポータルページの地図上に表示する。これは時系列で過去30日分までさかのぼることが可能だ。

子供の現在位置と移動経路を地図上で確認できる

YouTubeを閲覧した場合は、不適切な動画はブロックされる。また、視聴した動画の履歴は保護者がサービスサイトから確認できる仕組みになっている。ただし、他の動画視聴アプリを使用した場合や、Webサイトに埋め込まれた動画の場合はトラッキングできない。

「YouTube.com」での視聴履歴も確認できる

さらに、これらの利用状況を月単位/週単位のレポートでまとめて確認することも可能となっている。

ノートン ファミリーの機能

ノートン ファミリー ベーシック版は登録すれば無料で使用が可能。高機能なプレミア版は4,093円(税込)/1年となっている。なお、PC・スマートデバイス向け総合セキュリティソフト「ノートン セキュリティ プレミアム」には、ノートン ファミリー プレミアのライセンスも含まれている。