台湾の2大半導体後工程受託メーカーが経営統合

半導体の後工程受託メーカーとして世界トップのシェアを有する台湾の日月光半導体製造(Advanced Semiconductor Engineering:ASE)と台湾2位で世界でも3位のSiliconware Precision Industries(SPIL)は5月26日、経営統合に合意したと発表した。両社は今後、新たに持ち株会社を設立し、双方がその事業会社として傘下に入り、社名を維持する。

SPILは2015年8月にAESから株式公開買い付け(TOB)による買収を表明されたが、これに対抗して失敗したものの、鴻海精密工業との資本提携を模索したほか、年末には買収防衛のため中国・紫光集団から約25%の出資を受け入れる方針を打ち出していた。しかし2016年に入ると4月に紫光集団からの資本受け入れを一旦白紙に戻すと発表するなど、今後の動きが注目されていた。

今回の経営統合についてSPILの林文伯董事長は、「国際競争が一段と激しくなり、人材と注文が(中国に)流出するリスクが高まってきたので、ASEの提案を受け入れることにした」と話しているほか、ASEの張虔生董事長は「この経営統合で、激しい国際競争下でも優位性を維持し、さらに高めていくことができる」との談話を発表している。

この大型経営統合について、台湾の市場調査企業であるTrendForceが5月27日、次のような分析を発表した。「両社の売上高(2015年12月期)を合計するとグローバルなパッケージング・テスティング市場の15%を占めることになるほか、台湾国内に限れば6割のシェアを握ることとなる。この経営統合により、両社が強みと弱みを補い合うこととなり、研究開発から販売に至る全分野を強化できる。台湾では、地元のパッケージング・テスティング企業は、国内に十分な需要を確保できておらず、国際市場で外国勢に対抗するために常に新しい技術を開発し優位性を保たねばならないが、このため特に両社はともに研究開発に力をいれることになろう」。

なお、台湾の半導体関連企業は、厳しい国際競争や中国勢による買収提案などで厳しい環境に置かれている。今回の経営統合は、そうした台湾勢が経営基盤の強化を図り、経営効率を高めて、中国勢に対抗する狙いがあると見える。TrendForceが「これにより台湾のパッケ―ジング・テスティング産業は新しい段階にはいった」としているように、中国を巻き込んだグローバルな半導体関連業界の再編の動きが一段と加速する可能性がでてきた。

順位 企業名 2015年の売り上げ(百万ドル) 台湾でのシェア(%) 全世界でのシェア(%)
1 ASE 4874 37.3% 9.6%
2 SPIL 2591 19.8% 5.1%
3 PTI 1292 9.9% 2.5%
4 ChipMOS 623 4.8% 1.2%
5 KYEC
(ICテストのみ)
537 4.1% 1.1%
13065 100.0% 25.7%
表 台湾のパッケージング・テスティング企業の売上高ランキングトップ5 (出所:TrendForce)
関連キーワード


人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事