ANAグループは5月28日、1月12日に発表した基本同意に基づき、ベトナム航空との業務・資本提携に関する最終契約書を締結。これによりANAホールディングスは、7月を目途に発行済みベトナム航空株式の約8.8%に相当する新規発行株式を総額2兆4,310億ドン(約117億円)で取得する。

コードシェアやマイル加算は10月30日の冬ダイヤから

ANAグループは1月に発表した中期経営戦略にて、新たな成長領域拡大に向けて航空関連ビジネスを中心としたアジアへの戦略的投資に取り組むとしている。そのアジアの中でベトナムは、とりわけ成長ポテンシャルの高いCLMV(※)の中心に位置し、TPP参加国の一員でもある。今回の業務・資本提携により、ANAは今後の経済発展が期待される同地域を含むアジア市場の航空需要を着実に取り込み、ビジネス機会を積極的に拡大することを目指している。

7月を目途にベトナム航空の新規発行株式を取得した後は、2016年冬ダイヤ(10月30日)より、日本・ベトナム双方の主要国内線30路線の運航便、および、日本=ベトナム間の国際線10路線の運航便に対して相互に便名を付与することで、利用者の利便性向上を図る。また、同ダイヤよりANAマイレージクラブ(AMC)会員は、ベトナム航空とのコードシェアを行う路線におけるマイル加算が可能となる他、マイレージ特典航空券でベトナム航空の全運航便を利用できる。

さらに、日本とベトナムの就航地における旅客チェックイン、貨物搭降載、地上支援、ケータリング、機体整備などの空港関連業務の相互委託を順次展開していく予定。その他にもANAグループはベトナム航空に対し、事業や運航に関するノウハウの提供やサービス品質向上に向けた業務支援を実施するとともに、取締役ひとりを派遣するなど、両社の成長と両国の発展のために協力していく。

※CLMVは、カンボジア(Cambodia)・ラオス(Laos)・ミャンマー(Myanmar)・ベトナム(Vietnam)