川崎重工はこのほど、東京都交通局から都営大江戸線向けリニア式地下鉄新造車両88両を受注したと発表した。受注総額は約160億円で、兵庫工場(神戸市)で製造し、2018年度から2020年度にかけて順次納入する。

都営大江戸線の既存車両の更新を目的に、2018年度から川崎重工製の新造車両が順次導入される(写真はイメージ)

東京都交通局のリニア式地下鉄車両の受注は、2011年に2編成16両を納入した大江戸線12-600形以来となる。今回の新造車両は、老朽化した既存車両の更新と、乗車数増加による増備計画にともない導入されるもの。アルミニウム合金製(セミダブルスキン)車両8両を1編成とし、11編成を新造する。1両あたりの寸法は、長さ16.5m、幅2.5m、高さ3.15m。客室の各出入口に大型液晶モニタによる車内案内装置・情報提供装置を配置するほか、車椅子スペースを設けるなどバリアフリーにも配慮し、旅客サービス向上を図る。

川崎重工はこれまで、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線、神戸市営地下鉄海岸線、横浜市営地下鉄グリーンライン向けなどにリニア式地下鉄車両を納入した実績を持つ。リニア式地下鉄車両は、リニアモーターと軌道上のリアクションプレートとの吸引・反発で推進力を得る特性により、急勾配や急カーブの走行にも対応でき、車高を低く抑えることでトンネル径が小さい路線での走行ができるといった利点があるという。

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