成田空港は5月26日、空港内トイレを全面リニューアルすると共に、ユニバーサルデザインを導入することを発表。合計148カ所の一般トイレに対し、2016年冬頃から2020年3月にかけて総額50億円規模の工事を行い、随時オープンしていく。

主要動線上にあるトイレに導入する「デザイントイレ」のイメージ

今回のリニューアルは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控える中で、日本の空の玄関口として全ての利用者がストレスなく快適に空港を利用できるようにするというもの。具体的には、トイレの場所や男性用・女性用の区別を音声によってご案内する「音声案内装置」、緊急事態の発生を光によって認識することができる「フラッシュライト」、身体を支えやすい「L型手すり」の設置など、最新のユニバーサルデザインを導入する。

L型手すりのイメージ

加えて、全ての便器の温水洗浄便座化、和式便器の洋式化、壁や天井等の内装リニューアルに取り組む。なお、2015年4月にオープンしたLCC専用の第3ターミナルでは、すでに温水洗浄便座等が導入されているため、そのほかのユニバーサルデザインの導入を優先的に実施する。

第3ターミナルではアイコンを機能的に用いている

特に空港内の主要動線上にあるトイレ(第1ターミナルの数カ所と第2ターミナルの5カ所)については、世界最先端のトイレ機器のほか、大きな手荷物を一緒に持ち込むことができる広いブース、利用しやすいパウダースペースを設けた「デザイントイレ」に一新。これによりトイレ利用者の快適性や利便性を追求し、日本が世界に誇るトイレ文化を海外に向けて積極的に発信していくという。

主要動線上にあるトイレに導入する「デザイントイレ」のイメージ

リニューアル対象となるのは各ターミナル内における成田国際空港管轄の一般トイレで、第1ターミナルが69カ所、第2ターミナルが66カ所、第3ターミナルが13カ所の合計148カ所。工事は第2ターミナルから着手し、工事終了次第順次オープンしていく。予定では、第2ターミナルが2016年冬頃から2018年9月まで、第1,3ターミナルが2017年冬頃から2020年3月までが工事期間となる。