医師登録制度の運用は9月より国際線で開始予定

ANAは6月より医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始し、国際線を中心に医療サポート体制を強化する。これにより、機内にて傷病者などが発生した際、より迅速な救急医療処置が可能になるという。

ANAは現在、機内で医療対応が必要となった場合に備えて医療物品を機内に搭載しているほか、航空の乗務員と乗客に医療サービスを提供しているMedLink社と提携し、国際線において24時間365日、地上と連携しサポートできる体制を提供している。今回のANA Doctor on boardの実施により、機内にて傷病者などが発生した際、客室乗務員が「ドクターコール」(アナウンスによる医療関係者の呼び出し)をせずとも登録済みの医師に協力依頼ができ、迅速な救急医療処置につながるようになる。

登録希望の医師は7月より募集を開始し、9月より国際線にて運用開始する予定。医師はANAマイレージクラブ会員を対象に、医師免許と顔写真付きの身分証明書を申込書とともに事務局に送付し、所定の審査・確認した上で登録をする。登録済みの医師本人の体調等を含め、機内での協力は任意とする。

登録している医師が機内にいない場合は、これまで通りドクターコールを実施する。なお、機内で実施された医療行為に起因して、医療行為を受けられた乗客に対する損害賠償責任が発生した場合、故意または重過失の場合を除き、ANAが主体となって対応する。

そのほか、機内搭載の医療物品についてもこれまでより詳細に開示し、傷病のある乗客や医療対応に協力を仰ぐ医師にも、事前に確認してもらえるように対応していく。また、外国人の乗客や配慮を要する乗客に対するコミュニケーション支援ツールとして、タブレット端末を活用した「ANA Communication Board」を導入することで、音声を含む各国の言語(定例用語)にて、医療行為発生時の初期対応を円滑にしていくという。