2016年5月24日、日本マイクロソフトの開発者向けカンファレンス「de:code 2016」に合わせて、米国本社となるMicrosoft CEOのSatya Nadella氏が訪日し、同イベントに登壇したのは既報のとおりだが、日本国内では渋谷区立広尾中学校で「Minecraft: Education Edition」を活用したプログラミングの授業見学や、経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)を訪問しての懇談会にも参加した。

Nadella氏は基調講演で自社の取り組みとして、トヨタ自動車の新テレマティックサービス「TOYOTA Connected」や日本航空のHoloLens活用プロジェクトなど幅広くアピール。また、「ともだち」をコンセプトにした学生のリーダーシップ育成プログラム「TOMODACHI- Microsoft iLEAP Social Innovation and Leadership」をなど幅広く紹介した。

「de:code 2016」に登壇したMicrosoft CEOのSatya Nadella氏

登壇終了後Nadella氏は、ビジネスパートナーとの会合などに出向くと思われていたが、都内の中学校へ授業参観に訪れるのは予想外だった。Microsoftは以前買収したMojangのゲームコンテンツを教育教材向けにリビルドした「Minecraft:Education Edition」をベータ版としてリリースしている。海外では既に100校以上の事例報告があるものの、東京都渋谷区立広尾中学校が日本の第1号校としてプログラムに参加。その関係から、Nadella氏の訪問に至ったのだろう。教室では約50名の中学2年生がプログラムに参加。Nadella氏もプログラミングの授業を参観しつつ、生徒達と交流した。

「Minecraft: Education Edition」ベータ版をプレイする東京都渋谷区立広尾中学校の生徒

経団連懇談会への参加は、Microsoftとトヨタ自動車の関係を見れば不思議ではない。以前から両社は緊密なパートナーシップを組み、2016年4月もコネクテッドカー関連の研究開発を行うToyota Connectedを合弁設立したばかりだ。Nadella氏は約140の企業経営者とビジネス革新の重要性やサイバーセキュリティ対策、ワールドワイドで広がる多様性への対応など、幅広いテーマで意見を交わした。

パートナーシップを確認するNadella氏(左)とトヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏(右)

阿久津良和(Cactus)