内閣府は5月18日、2016年1～3月期の四半期別国内総生産(GDP、季節調整済み)速報を発表した。それによると、物価変動の影響を除いた実質GDPの成長率は、前期比0.4%増の年率1.7%と2四半期ぶりにプラスとなった。個人消費や輸出の増が要因だが、うるう年でのかさ上げの影響を除けば、ほぼ横ばいにとどまる。
|
|
実質GDP成長率の推移と名目GDP成長率の推移 |
企業の設備投資が落ち込む
実質GDP成長率のうち、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す「寄与度」でみると、内需、外需ともにプラス0.2%となった。
項目別(前期比)の実質GDPをみると、GDPの過半を占める民間最終消費支出(個人消費)は前期比0.5%増。民間住宅(住宅投資)は同0.8%減と2四半期連続のマイナスとなった。
円高などの影響もあり、民間企業設備(設備投資)は同1.4%減と3四半期ぶりのマイナスに落ち込んだ。民間在庫品増加の成長率に対する寄与度は同0.0%減と3四半期連続のマイナス。政府最終消費支出は同0.7%増と8四半期連続のプラスとなった。公的固定資本形成(公共投資)は同0.3%増と3四半期ぶりのプラスとなった。
財貨・サービスの輸出は同0.6%増とプランに転じた。財貨・サービスの輸入は同0.5%減と2四半期連続のマイナスとなった。
景気実感に近いとされる名目GDP成長率は前期比0.5%増、年率換算2.0%増と、2四半期ぶりのプラスとなった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比0.1%増。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは同0.5%減となった。
2015年通年のGDPは、実質で前年比0.8%増と2年ぶりのプラスとなったが、政府が2015年12月に下方修正した1.2%を達成することはできなかった。
