日本経済団体連合会(以下、経団連)は5月17日、報告書「ホワイトカラー高齢社員の活躍をめぐる現状・課題と取り組み」を発表した。

ホワイトカラーの高齢社員の活躍にあたっての問題(複数回答)(出典:経団連Webサイト)

専門能力の発揮や後進指導に期待

経団連の「中高齢従業員の活躍推進に関するアンケート調査結果」(2015年9月)によると、ホワイトカラーの人員構成は「ひょうたん型」や「ひし型」の企業が多く、40代前半~50代前半が最も厚い年齢層となっている企業が6割を占めた。一方、「ひょうたん型」では30代後半層に人員の「へこみ」を抱える企業が目立った。

ホワイトカラー高齢社員への期待を尋ねると、「今まで培った経験等を生かした専門能力の発揮」が50.0%、次いで「スキルやノウハウ、人脈や顧客等の継承を通した後進の指導」が38.1%と続き、「定年前と同様の職務の遂行」は6.0%にとどまった。

ホワイトカラー高齢社員の活躍に向けた問題点は、 「再雇用後の処遇低下・役割の変化等によりモチベーションが低下」が53.4%で最多。また「『接続期』(60歳定年制の下での55~59歳)におけるモチベーション低下が『高齢期』(60~65歳)に影響」も19.8%を占めた。

今後生じる可能性のある問題としては、「職務やポストの不足」が55.2%で最も多かった。

報告書は、ホワイトカラー高齢社員の活躍に向けた3つの柱として、「意欲の維持・向上策」「『高齢期』における活躍の場の拡大」「活躍を促進する社内体制の整備と職場風土の醸成」を挙げている。