俳優の東山紀之が、TBSで今夏放送されるドラマ特別企画『ふつうが一番 -作家・藤沢周平 父の一言-』で、直木賞作家・藤沢周平を演じることが16日、わかった。周平の妻・小菅和子役は女優の松たか子が演じ、2人はドラマ初共演となる。

周平の妻・小菅和子役を演じる松たか子

藤沢周平の娘でエッセイスト・遠藤展子の『藤沢周平 父の周辺』(文春文庫刊)、『父・藤沢周平との暮らし』(新潮文庫刊)を原作とする同ドラマ。自らの夢を追い続けるだけでなく、家族への愛を貫いた藤沢周平の半生を描く。藤沢周平役の東山、周平の妻・小菅和子役の松のほか、周平の母・たきゑには草笛光子、さらに角野卓造、佐藤B作、前田吟らが出演する。

主演の東山は「蜷川さんは僕の作品を本当によく見ていてくれていて『あれ見たよ、良かったよ』というような言葉をかけてくださいました」と今月12日に亡くなった演出家・蜷川幸雄さんとの思い出を振り返り、「今回松さんと初共演となる『ふつうが一番』で演じる藤沢周平先生の役もきっと喜んでくださっていると思いますし、天国でダメ出ししながら見てくださると思いますので、これからは今まで以上に全てに真摯に向き合い、気を引き締めて邁進していきたいと思います」と誓った。

また、「蜷川さんから『ヒガシ、おまえ情緒がないんだよ、情緒が…』と言われたのを強く覚えています。舞台で演じた役柄が死に向かうときの芝居で言われた言葉ですが、それ以降はどんな作品に向き合うときも『情緒とは?』ということを考えて演じるようにしています」と言い、「これからも蜷川さんに残していただいた言葉をヒントにさらに励みたいと思います」と決意。「僕だけでなく、蜷川さんにお世話になった同じ事務所のタレントたちは、ジャニーさんと蜷川さんとの友情の中にいるので、お二人の友情のためにも僕らはますます学んで、どうやったらお客さんに喜んでいただけるか?ということを常に探し続けることが使命だと思っています」と語る。

『渡る世間は鬼ばかり』で知られるプロデューサーの石井ふく子は、キャスティングについて「私はどうしても東山紀之さんと松たか子さんにこのドラマに出演していただきたくて3年待ったんです。しつこいですから(笑)」と明かした。

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