富士通は16日、同社製PC「LIFEBOOK」「ESPRIMO」の2016年夏モデルを発表。合わせて、富士通汐留本社で説明会を開催した。

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PC夏モデルの説明は、2016年2月1日に富士通から分社化した、同社PC事業を手掛ける富士通クライアントコンピューティングの事業本部 プロダクト企画統括部 統括部長 平野和敏氏が担当。4月21日に法人向けに発表したPC・タブレット11シリーズ16機種に加え、5月16日に発表した「LIFEBOOK」「ESPRIMO」の2016年夏モデル2シリーズ3機種を紹介した。

富士通クライアントコンピューティングの事業本部 プロダクト企画統括部 統括部長 平野和敏氏

16日に発表された、15.6型ノートPC「LIFEBOOK」新製品(LIFEBOO AH42/Y)

同日発表のデスクトップPC「ESPRIMO」新製品(ESPRIMO FH53/YD)

「ESPRIMO FH53/YD」はエントリーモデルだが、新たにUSB 3.1 Type-Cが搭載された

PC市場では「約8割が旧OSを使用」

PC新製品の紹介は、2016年1月に発表された春モデルに続き、夏モデルでも法人市場への注力を窺わせた内容となった。平野氏は、法人市場ではワークスタイルの変化、個人市場ではライフスタイルの変化が大きく、「富士通の商品価値として、『いつでも安心、安全に利用できる』端末の企画設計、開発を行っていく」と同社製PCのコンセプトを話した。

富士通製品に求められる価値

高性能、高品質をベースに、安心、安全という付加価値を与え、その上で商品ごとに特徴付けをする

同社は法人向け市場で今後、仮想化ソフトウェア技術の進歩やネットワークインフラ基盤の拡大、全業種への普及などにより、仮想化環境の導入が進むと予測。このことから、法人向け2016年夏モデルは、シンクライアント端末「FUTRO」(ヒューロー)のラインナップを拡充した。

13.3型新クライアント端末で世界最軽量をうたう「FUTRO MS936」など、法人市場向けにはシンクライアント端末を拡充した

また、法人向けでは、MicrosoftのWindowsサポートポリシーの変更に加え、2016年4月時点でのデスクトップOS世界シェアとして、Windows 7が約47.8%と旧バージョンOSの利用率が高いという調査結果(Net Applications調査)から、最長2023年までの長期サポートを受けられる、旧CPUを搭載したWindows 7/8.1モデルを多くラインナップする。

これに関しては同社としても、「顧客の80%以上が旧OSを使っていると認識している」といい、このニーズを捉えるため、最新世代となるSkylake CPUとWindows 10搭載PCのほか、サポート期間の長いBroadwellやHaswellといった第5世代/第4世代CPUを搭載したWindows 7、Windows8.1製品のラインナップを強化したという。

Windowsサポートポリシーの変更

PC市場における2016年4月時点での世界OSシェア

ユーザビリティに注力したコンシューマ向けPC

コンシューマ向け「FMV」新商品では、2シリーズ3機種を発表。15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH」では、特にユーザビリティに注力したとして、CPU強化に加え、従来上位機に搭載していた3段階押下圧キーボードやハイレゾ再生機能を、下位モデル「LIFEBOOK AH42/Y」まで搭載。また、普及モデルのデスクトップPC「ESPRIMO FH53/YD」では、新たにSkylake世代のデスクトップ向けCeleronプロセッサを採用。「高いパフォーマンスを実現し、使いやすくなった」とアピールした。

15.6型ノートPC「LIFEBOOK AH」シリーズのラインナップ

新製品「LIFEBOOK AH42/Y」の特徴

23型デスクトップPC「ESPRIMO」シリーズのラインナップ

新製品「ESPRIMO FH53/YD」の特徴

説明会では、同じく2016年2月に分社化した、富士通の携帯電話事業を手掛ける富士通コネクテッドテクノロジーズ 執行役員の林田健氏が、携帯電話新製品を紹介した。会場では、石を彫刻するイメージでデザインされたスマートフォン新製品「arrows SV F-03H」や、3面滑り止め加工やマルチユーザー切り替え機能の搭載で使い勝手を高めたタブレット新製品「arrows Tab F-04H」も展示されていた