東京商工リサーチは5月12日、「日産・三菱自動車(以下、三菱自)国内取り引き状況」調査結果を発表した。

1次取引先、三菱自は中小の割合高く

直接取り引きがある1次仕入れ先は、日産1,520社、三菱自1,068社で、2社と取り引きしている先(重複取引先)は277社だった。

産業別 1次取引先(出典:東京商工リサーチWebサイト)

産業別では、日産は製造業が691社(構成比(以下同)45.4%)で最多、次いで卸売業307社(20.2%)、サービス業他278社(18.2%)との順に。三菱自も日産と同様に製造業が544社(50.9%)で最も多く、以下、卸売業232社(21.7%)、サービス業他138社(12.9%)と続いた。

重複取引先を産業別にみると、製造業178社(64.2%)、卸売業63社(22.7%)、サービス業他17社(6.1%)となった。また日産の1次仕入れ先に占める重複取引先の比率は18.2%、三菱自は25.9%だった。

地区別の1次仕入れ先をみた場合、日産は関東1,141社(75.0%)、中部158社(10.3%)と、関東が7割以上を占めた。一方、三菱自は関東374社(35.0%)、名古屋製作所がある中部298社(27.9%)、水島製作所がある中国175社(16.3%)となった。

1次仕入れ先の資本金別にみると、日産は資本金5,000万円未満(その他含む)が59.8%(909社)、三菱自は62.7%(670社)で、三菱自の方が中小企業との取り引き割合が2.9ポイント高かった。

東京商工リサーチは「日産主導の再建により、三菱自の車種が絞られた場合、三菱自への売り上げ依存度の高い中小企業の経営に大きな影響を及ぼす可能性があり、再建プランを注意深く見守る必要がある」としている。