日産自動車と三菱自動車工業は12日、両社による幅広い戦略的アライアンスに関する覚書を締結したと発表した。日産自動車は2,370億円で三菱自動車の発行済み株式34%を取得する予定。取引成立後、日産自動車は三菱自動車の筆頭株主となる。

日産「デイズ ルークス」

三菱「eKスペース」

両社は2010年12月に事業協力関係の拡大で合意し、日本市場における軽自動車事業に関わる合弁会社を設立。2013年、両社の合弁事業による新型軽自動車の第1弾として、日産「デイズ」・三菱「eKワゴン」などが発売され、翌年には第2弾となる日産「デイズ ルークス」・三菱「eKスペース」が発売された。

今回発表された両社の戦略的アライアンスは、過去5年間にわたる現行のパートナーシップをさらに発展させるものだという。日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)、カルロス・ゴーン氏は、「本件は画期的な合意であり、日産と三菱自動車の双方にウィンウィンとなるものです。両社が集中的に協力し、相当規模のシナジー効果を生み出すことで、新たな自動車産業の勢力ができあがることになります」とコメントしている。

三菱自動車は今年4月、同社が生産する「eKワゴン」「eKスペース」、日産へ供給する「デイズ」「デイズ ルークス」の計4車種において、燃費試験における不正行為(燃費を良く見せるための走行抵抗の不正な操作)が発覚。その他の車種についても、「正しく走行抵抗を算出していなかったり、『RVR』などについて机上計算により算出したりしたものがあることが疑われる」と報告されている。

こうした事態を受け、ゴーン氏は「日産は課題に直面している三菱自動車を支援し、アライアンス・ファミリーの新たな一員として歓迎したい」とコメント。日産自動車は新規に発行される5億660万株の三菱自動車株について、1株あたり468円52銭で取得する予定としている。三菱自動車の株主である三菱グループと株主間契約を結び、規制当局の承認を経て今月末をめどにアライアンスの正式契約を締結。年末までにすべての手続きを完了する見込みだという。「当社は三菱自動車の筆頭株主として、同社のブランドと歴史を尊重し、大きな成長の可能性の実現をサポートしていきます」とゴーン氏は述べた。

両社による戦略的アライアンスの締結を受け、三菱自動車の取締役会長兼CEO、益子修氏は、「日産自動車には、アライアンスのメリットを最大限に活かす豊かなノウハウがあります。今回の合意で、両社の将来の発展に求められる長期的な価値を生み出すことができるでしょう」とのコメントを発表している。なお、両社は「購買、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用、および成長市場を含む、複数の面で協力することにも合意」したとのこと。