島津製作所は5月12日、30000:1のS/N比で測定が可能な赤外顕微鏡「AIM-9000」を発売したと発表した。

同製品では、前機種の約5倍のS/N比を実現。また前機種によるズームは倍率33倍の固定ズームのみだったが、オプションである広視野カメラは倍率1倍~5倍までの可変デジタルズームが可能であることに加え、標準搭載の顕微カメラは倍率33倍~330倍までの可変デジタルズームに対応。トータルで最小倍率1倍、最大倍率330倍の可変デジタルズーム機能を実現している。

また、測定範囲決定後は、ワンクリックで異物や不良と思われる箇所を自動認識し、測定領域(アパーチャ)を自動で設定でき、最大20箇所の不良箇所の認識と測定領域の設定を数秒で行うことが可能。また、可視観察と赤外測定が同時に可能となっている。

異物のスペクトル取得後は、ソフトウェアに標準搭載されている異物解析プログラムによる自動解析が可能。また、「加熱劣化プラスチックライブラリ」など、同社製のライブラリをソフトウェアに追加することで、同定の精度を高めることができる。

価格は、ソフトウェア込みで725万円(税別)となっている。同社は、製薬・ライフサイエンス、石油・化学、電機・電子、機械・輸送機といった業界向けに、同製品単体で2016年度で国内外100台の販売を計画している。

赤外顕微鏡「AIM-9000」(右)とフーリエ変換赤外分光光度計「IRTracer-100」(左)