産業向け協働ロボットを提供するデンマークのUniversal Robotsは5月11日、日本支社「Universal Robots A/S, Japan Branch」を開設すると発表した。

同社のロボットは安全柵なしで作業員の近くで利用できることが大きな特徴。小型・軽量であることから、既存の生産ラインを変更することなく導入でき、再配置も簡単に行うことができる。また、プログラミングが容易であるため運用開始までの時間も短縮することができ、ソリューションコストを削減することができる。これらの特徴から、少量多品種であったり、季節要因の影響が大きい製品の生産ラインでの利用に適しているとする。

Universal Robotsの協働ロボットの特徴 (提供:Universal Robots)

同社はこれまでにニューヨーク、上海、スペイン、インド、シンガポールに子会社を設立しているほか、50カ国以上において代理店販売を展開。日本を含むアジア太平洋(APAC)地域へのサポートはシンガポールの子会社が担当していた。今回、同地域でトップ3の市場である日本、台湾、韓国に支社を開設し、アジアでの営業力を強化する。

シャーミン・ゴッドフレッドセン APAC担当ジェネラルマネージャ

6月末に退任するIversen現CEO(2015年撮影)

都内で行われた会見に登壇したAPAC担当のシャーミン・ゴッドフレッドセン ジェネラルマネージャは、日本にオフィスを設立することで、日本の販売代理店に対するサポートおよびユーザーに対するアフターサービスの強化を図るとともに、直接ユーザーの声を吸い上げることで製品開発に活かす、と説明した。

日本オフイスの登記はすでに完了しているが、現在は具体的なオフィスの場所を検討中。都内もしくは都内近郊になるとのことで、6月1日の本格稼働を目指す。本格稼働後も引き続き販売は代理店を通じて行い、自動車、食品、医療/製薬市場がメインターゲットとなるが、さまざまな業界で同社のロボットの導入を目指し、販売代理店を拡充していく方針だ。

なお、同会見ではEnrico Krog Iversen現CEOが6月末で退任することが発表された。Iversen氏は退任後もアドバイザーとしてUniversal Robotsに関わっていくという。新CEOについては現在のところ未定。