A.T. カーニーは5月10日、2016年の「海外直接投資信頼度指数」調査結果をとりまとめ、投資先として魅力のある国上位25カ国のランキングを発表した。

2016年 海外直接投資信頼度ランキング(FDICI 2016)

アジア最高位は中国

今回の調査では、貿易成長の鈍化とマクロ経済の不透明化を受け、海外直接投資により成長の機会を得ようとするグローバル企業経営者が増えていることがわかった。

ランキング1位は米国で、4年連続で首位を維持。同国への海外直接投資の大部分は、日本、カナダ、中国の3カ国が占めている。A.T. カーニーによると、「グローバル企業経営者も、米国経済の展望について、他国よりも楽観的との見解を示している」という。

2位は4年連続で中国。ただし、2016年に入ってから投資家の中国経済への見通しは悪化しており、市場の変動が続いた場合、中国への海外直接投資を減らすことを考えている経営者もみられたという。

以下、3位カナダ、4位ドイツ、5位英国、6位日本、7位オーストラリア、8位フランス、9位インド、10位シンガポールとの順となった。

日本は前年に続いて順位を1つ上げ、過去最高位を更新。同社は「日本政府が、国内の徹底したグローバル化を進め、2020年における対内直接投資残高を35兆円へ倍増する(2012年時点17兆8,000億円)という目標を掲げたことが評価につながった」と分析している。

調査時期は2016年1月。回答者はCxOレベルの役員、地域統括責任者など。調査対象企業は世界27カ国の全産業セクター。