富士重工業は4月27日、航空宇宙カンパニー半田工場(愛知県半田市)敷地内に、新たに3棟目となる組立工場を建設し、竣工式を実施した。今後、米国ボーイング社の次世代旅客機「777X」の胴体と主翼をつなぐ中央翼の組立・生産を2016年度末から開始する予定となっている。

777X中央翼組立工場の外観

新工場の建築面積は約1万1,600平方メートルで、今後、最新鋭の自動打鋲機に加えて自動搬送装置や塗装設備等を装備した生産ラインを設置する。半田工場ではこれまで、ボーイング社の大型旅客機「777」「787」、および防衛省の「固定翼哨戒機(P-1)」「輸送機(C-2)」の中央翼の組立・生産を行っており、今回、777X中央翼組立工場が完成したことによって、半田工場は世界的有数の中央翼生産センターとなる。

777Xのイメージ

777Xは2017年に生産を開始し、2020年の初号納入を目指している。777Xの開発・製造に関してはボーイングと日本の機体主要パートナーの間で、主要構造部位の約21%を日本の航空機メーカーが製造分担するという合意覚書(MOA)を契約。分担部位としては、胴体、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部結合、客室扉、貨物室扉、主脚扉、翼胴フェアリング等が含まれている。