国土地理院は22日までに、熊本県を中心に大分県も含め広い地域で地震を起こした二つの断層帯に沿って上下方向に最大1メートル以上の地殻変動があったことを人工衛星の観測結果から明らかにした。

図国土地理院による地殻変動解析結果(一部)(国土地理院提供)

国土地理院は、布田川(ふたがわ)断層帯と日奈久(ひなぐ)断層帯付近の地殻変動について宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち2号」が、地震の前後となる昨年2月10日と 今年4月19日 に撮影した画像と、衛星の位置を変えて今年3月7日 と4月18日に撮影した画像とを照合させながら解析した。

その結果、上下方向では布田川断層帯の北側で最大1メートル以上沈降し、南側で最大30センチ以上隆起していた。水平方向では、同断層帯の北側が東向きに最大で1メートル以上、南側は西向きに最大50センチ以上ずれていた。日奈久断層帯については、布田川断層帯ほどではなかったが、北西側で東向きに、南東側で西向きに地殻変動していた。

これらの結果について国土地理院は、「今回地震を起こした布田川断層帯は南東側が相対的に隆起する右横ずれ断層であることが確認できた」としている。

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