PFUは4月21日、IoTの普及に対応することを目的に、第6世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Skylake)などの最新世代のプロセッサを搭載した組み込みコンピュータ3シリーズ4モデルを発表した。

3シリーズ4モデルは、ARシリーズ最上位モデルとなる「AR8300モデル320K」、拡張性と小型化の両立を実現した「AR2100モデル120L」および「AR2200モデル120L」、そしてCOM Express Type6準拠のシステム オン モジュール「AM120モデル215L」で、CPUとしては、AR8300モデル320KがBroadwell-EP(開発コード名)、それ以外がSkylake(CoreプロセッサおよびXeon E3 v5)が搭載される。

「AM120モデル215L」、「AR2100モデル120L」、「AR2200モデル120L」、「AR8300モデル320K」の概要

またAR8300モデル320Kには初めてIPMI 2.0準拠のBMC(Baseboard Management Controller)を搭載。これにより、CPUと独立してハードウェアの監視・制御が可能となり、機器の制御を司るCPUやOSに異常が発生しても、遠隔地からの再起動や、故障予知やCPUの数を減らす縮退運転、障害発生時のログの詳細確認などを行うことが可能となる。

このBMCは同社が独自でハードウェア、ソフトウェアともに設計を行っており、カスタマの要求にも柔軟に対応することも可能。運用についてはWebブラウザベースのGUIを提供することを予定しているが、現在開発を進めている段階にあるとのことであった。

BMCの概要

このほか、専用のオプションカードとして、新たに自社開発のグラフィックカード(ファンレス)も用意。これまで、既存メーカー製のグラフィックカードを提供してきたが、トラブルが生じてもサポートが行き届かない、といった課題などがあったことから、サポート拡充の意味合いも含め、自社設計に踏み切ったという。

いずれの製品も対応OSはWindows 7/10 IoT Enterprise/Linux系としており、2016年10月からの出荷開始を予定。AR8000シリーズ全体で今後3年間で3万台、AR2000シリーズ全体で同5万台、AM100シリーズ全体で同10万台の販売をそれぞれ目指すとしている。

左から「AM120モデル215L」、「AR2100モデル120L」、「AR2200モデル120L」、「AR8300モデル320K」の外観