アップルは4月22日のアースデイに先駆け、世界保護基金(WWF)および26のアプリケーション開発者たちの協力の得て、地球上の生命に対する関心を高め、保護を促す「Apps for Earthキャンペーン」を起ち上げた。

App Storeに設置された特設ページ。但し、日本では、iTunesおよび、App Storeアプリのトップには表示されていない(こちらのリンクから閲覧は可能)

4月24日まで、Apps for Earthに参加するアプリの売上の100%(有料アプリおよび当該アプリのアプリ内課金の購入から得られる収益)が、地球の自然保護というWWFが取り組んでいる重要な事業、および地球の生命多様性に対する喫緊の脅威を減らすという使命を支援するために使われる。

各アプリからユーザーは独自のコンテンツを楽しむことができる。これらのコンテンツは当キャンペーンのために特別に制作された、森林、海洋、淡水、野生生物の保護を賛同・奨励するもので、WWFがグローバルな取り組みで注力している食料や気候に対する脅威について説いてくれるというものだ。

日本からは、「LINE」「LINEディズニーツムツム」が名乗りを上げているが、世界中のデベロッパーが参加をしており、「Angry Birds 2」「Best Fiends」「Candy Crush Soda Saga」「Cooking Dash」「Cut the Rope:Magic」「Dragon City Mobile」「Enlight」「Hay Day」「Hearthstone」「Jurassic World:The Game」「Kendall & Kylie」「Map My Run+」「MARVEL Contest of Champions」「Peak」「Procreate」「Recolor」「SimCity BuildIt」「Star Wars:Heroes of the Galaxy」「Tabs & Chords by Ultimate Guitar」「The Earth by Tinybop」「Trivia Crack」「VSCO」「WWF Together」「Yoga Studio」がこの活動に加わっている。

アップルは、20年以上に亘って、同社とその製品が環境に与える影響を最小限にするための取り組みを続けている。「環境」と題されたWebページでは、「地球にふさわしい、最高のアイデアを。」という文言とともに環境問題に取り組む姿勢を示している。

環境」と題されたWebページ

2014年には、米国における事業の100%を再生可能エネルギーへと転換、持続可能で幅広い用途に利用できる森林の未来に向けた投資を行い、ベリリウムを使用しない製品を設計した。再生可能エネルギーの利用に関しては、全世界でのオフィスでも100%を目指しているが、すでに前述の米国を含む、中国など23カ国ではそれを達成しており、全体でも93%に達しているそうだ。

データセンターは現在、全て太陽光や風力、水力などのクリーンエネルギーだけで稼働しており、森林資源の保護についても、再生紙または持続可能な森林からの資源で、パッケージに使用してる紙の99%をまかなっている。今後、Apple Storeでのショッパーもプラスティックバッグから再生紙へと変更されるという話が持ち上がっているようだ。

3月21日に行われたスペシャルイベントでは、製品ユーザーのプライバシー保護、健康・医療分野への貢献をアピールするとともに、改めて環境問題への取り組みについて報告した。この報告の中では、「Liam」という、回収したiPhoneを分解して材料をリサイクルできるように仕分けるロボットの研究開発プロジェクトを明らかにした。Liamによって再生された材料はソーラーパネルの材料などに使われているが、将来的には製品への利用を目指している。

またスペシャルイベントのタイミングで、古いPCやディスプレイ、iPod、スマートフォンを下取りに出したり、リサイクルできる「Apple Renewプログラム」と米国で提供されていた「トレード・イン・プログラム」に相当する「iPhone下取りキャンペーン」が始まった。

「トレード・イン・プログラム」は、iPhoneをApple Storeに下取りに出し、そこでの買い取り額を新しいiPhoneの購入価格から差し引くことで割り引きを受けられるという制度である。「iPhone下取りキャンペーン」は、iPhone 4/4sで最大3,500円、iPhone 5/5c/5sで最大14,600円、iPhone 6で最大31,000円、iPhone 6 Plusで最大36,000円が、Apple Storeでの新機種購入時にその場で値引きされるというものだ。

ボロボロで買い取れないというiPhoneでも、「Apple Renewプログラム」に参加することで、再利用できるものにはその機会が与えられる。不要になったデバイスがあれば、是非、このプログラムを利用して頂きたい。

2017年にはスティーブ・ジョブズの「最後の作品」と目される、Appleの新社屋「Apple Campus 2」が完成する。この新しいキャンパスは典型的な研究開発用のオフィスビルと比べて、エネルギー使用量は30%削減できるという。

Appleロゴの葉の部分がグリーンに変更された表参道店

また、現在、表参道、銀座、名古屋、心斎橋、福岡のApple Store実店舗でAppleロゴの葉の部分がグリーンに変更されており、ストアスタッフのユニフォームもグリーンに変更されている。アースデイ当日までの変更のようなので、店内の様子を伺いたいのであれば早めに足を運んでほしい。