大日本印刷(DNP)は4月15日、スマートフォンやカーナビ、デジタルサイネージなどに向けた広告の配信管理を行うシステムを開発したと発表した。価格は個別見積もり、運用費用が別途発生する。

利用フロー

新システムは、スマートフォンやカーナビ、デジタルサイネージなどへコンテンツ、広告枠を提供する媒体社を主な顧客として、クラウド環境で広告配信の管理を行うシステム。スマートフォン、カーナビ、デジタルサイネージなどに広告を配信する際の管理業務を効率化する機能を揃え、広告主は管理画面を通じて「広告枠の検索・予約」「広告素材のオンライン入稿」「広告掲載実績の閲覧・確認」の3つの機能を使用。

広告枠の検索・予約機能はスマートフォン、カーナビ、デジタルサイネージなどの広告枠を期間、エリア、価格、条件(競合排除など)、配信先端末といった情報から検索することができるほか、広告主である企業や広告代理店は購入を希望する広告枠を個別に指定、もしくは予算や条件に応じたプランを自動で作成する機能等を利用し、広告枠を予約することが可能。

また、広告素材のオンライン入稿機能ではディスクなどの記録媒体を用いた入稿業務を必要とせず、広告に必要な音声やテキスト、画像などの複数の素材データを管理画面からオンラインでクラウド環境の本システムに入稿し、入稿した広告素材は管理画面を通じて確認できる。

さらに、広告掲載実績の閲覧・確認機能により、広告主・広告代理店は管理画面から広告の配信実績データを受領できることに加え、配信実績データは広告主の企業や広告代理店ごとに分割集計して提供され、放送確認書や配信レポート等の形式で掲載実績の閲覧・印刷を可能としている。

画面イメージ

これにより、広告配信の管理業務を効率化できるとともに特定のエリアのみへの配信など、効果的な広告配信を行うことが可能だという。また、媒体社は新システムを導入することで広告主との広告枠の取引や広告内容の確認、配信実績の提供などをオンラインで行うことができ、運用負荷や人件費などの軽減が図れるとしている。

なお、新システムはアマネク・テレマティクスデザインがコンテンツプロバイダーとして運営するi-dio(V-Lowマルチメディア放送、テレビがアナログからデジタルへ移行した際に不要となったVHF帯のうち1~3チャンネルを使い、主にスマートフォンやカーナビなどの移動体端末に提供する新しい無料デジタル放送)によるモビリティ向け専用チャンネル「Amanekチャンネル」に採用され、4月中旬より運用を開始する。

DNPでは、新システムを「DNPオリジナルコンテンツ配信・表示システム Smart Signage(スマートサイネージ)」と連動させ、スマートフォン、カーナビ、デジタルサイネージなどに向けた広告枠を一元管理することで効率的な広告枠のやり取りを実現するという。

また、今後i-dioのコンテンツプロバイダー各社に拡販するとともに、広告代理店事業やセールスプロモーション用商材の強化を推進し、関連事業を含め、2020年度までに累計で30億円の売り上げを目指す。