米Microsoftは4月6日(現地時間)、Windows InsidersのFastリングに「Windows 10 Insider Preview Build 14316」をリリースした。Windows 10の次期大型アップデート「Anniversary Update」(今夏に製品版リリース予定)に向けたプレビュー版であり、「Bash on Ubuntu on Windows」など、開発者カンファレンス「Build 2016」(3月31日~4月1日)で発表した機能のいくつかが組み込まれている。

Bash on Ubuntu on Windowsは、Windows Subsystem for Linux (WSL)を用いて、Windows 10のcmd.exeコンソールでUbuntuのユーザースペースとシェルを利用できるようにする。仮想マシンやコンテナなどではなく、ネイティブなBash LinuxバイナリがWindows上で動作するので、高速かつ軽快にRuby、emacsなど様々なLinuxツールを利用できる。これは開発者向けツールセットとして追加されており、利用するには設定の「更新とセキュリティ」で「開発者モード」を有効にする必要がある。

6日からWindows Insidersには、同じMicrosoft IDでログインする複数のデバイスの間で「Cortana」が同期・連携するクロスデバイス機能の提供が始まる。

  • バッテリー残量の通知:モバイルデバイスのバッテリー残量が少なくなってきたことをCortanaが知らせ、PCにもポップアップ表示が現れる。
  • 携帯電話を見つける/携帯電話を鳴らす:モバイルデバイスを紛失した際に、PCでCortanaを使ってモバイルデバイスの位置を地図で確認し、必要ならばスマートフォンを鳴らすように頼む。
  • マップの道順案内を複数のデバイスで共有:PCのCortanaで「directions to <場所>」と頼んで取得した道順案内は、モバイルデバイスで再検索することなく、すぐに利用できる。

バッテリー残量の通知

携帯電話を見つける/携帯電話を鳴らす

Cortanaのクロスデバイス機能は、Windows 10デバイスだけではなく、Android版Cortanaアプリ(バージョン1.5以上)を用いてAndroidデバイスでも利用可能だ。ほかにもCortanaではセットアッププロセスが改善されており、ユーザーが必要とする言語が自動的にダウンロードされるようになった。

パーソナライズ(設定→パーソナル設定)の「色」で「ダーク」モードまたは「ライト」モードを選択できる。ダーク・モードを選択した場合、設定、ストア、アラーム&時計、計算機、他のUWPアプリなど、全体がダークな色調で統一される。また、タイトルバーに色を付けるオプションが用意された。

ダーク・モード

仮想デスクトップ機能で、全てのデスクトップにウインドウをピンできるようになった。タスクビューでピンしたいウインドウの上で右クリックし、「Show this window on all desktops」を選択する。

アクションセンターで、アプリケーションごとに通知の重要度を3段階(Normal/High/Priority)で調整でき、またアプリケーションごとに表示する通知数を設定できる。

バッテリー節約機能でバックグラウンドアプリの設定が改善され、新たに「Managed by Windows」というオプションを選択できるようになった。同オプションは、バッテリー節約オン時にアプリのバックグラウンド動作を停止させ、さらにしばらく使用していないアプリでバッテリーへの影響が大きいアプリを一時的に終了させる。

Insider Preview版のビルド14291からMicrosoft Edgeで利用できるようになった拡張機能に「Pin It Button」「OneNote Clipper」をインストールできるようになった。また「Reddit Enhancement Suite」「Mouse Gestures」「Microsoft Translator」などがアップデートされている。

新しい「Connect」アプリは、ドックやMiracastアダプターを使わないスマートフォンからのContinuumをサポートする。同様にドックやMiracastアダプターを使わずに、Continuumを通じてMiracast対応PCから他のPCへのプロジェクションも可能。

PCにおいて「Skype UWP(Universal Windows Platform)」アプリのプレビュー版を試用できる。モバイル版は将来のビルドでの提供になるという。メッセージ関連ではまた、Messaging everywhere機能のプレビューを間もなく開始することを予告している。スマートフォンでのテキストメッセージの送受信をWindows 10 PCでも可能にする機能だ。