俳優のユースケ・サンタマリアが3月31日、都内のホテルで行われた主演ドラマ『火の粉』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~24:35/全9回)の制作発表会見に登場し、埼玉県川越市という遠方での撮影に「火がつきましたよ」と闘志を見せた。

(左から)優香、ユースケ・サンタマリア、伊武雅刀

東海テレビが51年半の昼ドラの歴史に幕を下ろし、新たにスタートさせる"オトナの土ドラ"枠第1弾となる今作は、愛知県出身のミステリー作家・雫井脩介の同名小説が原作。退官した裁判官・梶間勲(伊武雅刀)と義理の娘の雪見(優香)らその家族が住む家の隣に、過去に無罪判決を下した連続殺人事件の容疑者・武内真伍(ユースケ)が引っ越してきたことから、梶間家の運命を狂わせていくサスペンスドラマだ。

主な撮影現場は埼玉県川越市で、ユースケは「車で順調に行って1時間、ちょっとでも混むと1時間40分かかる場所に、毎日毎日通っています」と説明。倉庫にセットを組んで撮影しているそうだが、「倉庫の中が、外よりもなぜか寒いんです」と、外気との気温差が10℃近くある惨状を訴えた。

この倉庫には当然楽屋もないため、テントに出演者が集まってストーブに当たるのが習慣。そこに、梶間家の母親役を演じる朝加真由美が、浅漬けやひじきの煮物を作って持って来るなど、とてもアットホームな雰囲気になっているそうだ。ユースケは、シリアスで重いシーンが多い今作にとって、これがとても良い効果をもたらしていることを強調し、「だから俺たち埼玉に来てるんだ!と、自分を納得させています」と力説した。

しかし、ユースケは先日、番宣で都内のフジテレビ湾岸スタジオに行った際、ここで撮影している他のドラマが「いいなぁと思いました」「なぜ俺たちはこんな劣悪な環境で…」と、気持ちが折れかけてしまったことを告白。「暖かいし、近いし…」と愚痴が続きそうになったが、「逆に負けてらんねぇな! 5倍も6倍も面白いドラマ作ってやろうじゃねぇか!って火がつきましたよ!」と、再び闘志を燃やしていた。

その後、会見は別の話題に移ったが、伊武が「やっぱり寒いなぁ。朝なんてセットで吐く息白いんだぜ?」と思い出し、再び埼玉の倉庫の話に。ユースケは「密閉されていて、時間の感覚もなくなるんです。夜中の2時くらいに撮影が終わったくらいの疲れ方なのに、実際は夜の7時だったりする」と体力の消耗も激しいという。

そんな過酷な撮影のため、ベテランの伊武はストーブの前のソファーに座り、そのままよく眠っているそう。優香はその姿を思い出して「その姿が神々しい(笑)。仏様みたいで手を合わせたくなっちゃう(笑)」と急に笑いはじめてしまい、現場のアットホームな雰囲気を伝えていた。