ソニー・コンピュータエンタテインメントは、3月26日・27日に東京都・有明の東京ビッグサイトで開催されたアニメの祭典「AnimeJapan 2016」に出展した「PlayStation」ブースにおいて、今年10月に発売予定のPS4用バーチャルリアリティ(VR)システム「PlayStation VR」(税別価格 4万4,980円)を体験できるコーナーを展開した。本稿では一部コンテンツの体験レポートをお届けする。

開場直後より多数の来場者で賑わいをみせた「PlayStation」ブース

「PlayStation VR」(プレイステーション ヴィーアール)は、PlayStation 4とPlayStation Cameraを組み合わせることで、VRヘッドセット(ヘッドマウントディスプレイ)を被ったプレイヤーを360度全方向取り囲み、あたかも仮想世界の中に入り込んだかのような迫力ある3D空間を体験できるシステムだ。

今回の「AnimeJapan 2016」では、PlayStationブースに合計10台のPlayStation VRが出展され、来場者は『サイバーダンガンロンパVR 学級裁判』、『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project VR Tech DEMO』、『体感合体「アクエリオン・EVOL」』、『The Deep (仮)』、『THE PLAYROOM VR』の5タイトルを試遊することができた。

VRヘッドセットには、解像度1920×RGB×1080(左右の目にそれぞれ960×RGB×1080の映像を表示)の5.7インチディスプレイを採用

筆者が体験したのは、5作品の中で「最もVRらしさを体験できる」と担当者に勧められた『The Deep (仮)』なるタイトル。イスに腰掛け、VRヘッドセットを被ってピントを合わせたら、ヘッドホンを装着して準備完了。コンテンツが始まると目の前に海中の美しい景色が広がり、さまざまな魚たちやウミガメの泳ぐ様子を眺めながら、プレイヤーを乗せたケージが海底へと沈んでいく。

ハイクオリティな3D映像に加え、VRヘッドセットに内蔵された加速度センサーとジャイロセンサーに加え、「PlayStation Camera」が頭の動きや位置を検知して、プレイヤーの向いた方向や角度に合わせて映像が上下左右に移動するため、あたかも実際にその場所にいるかような錯覚に陥る。

海中で優雅な気分に浸っていると、突如として凶暴なサメが現れ、プレイヤーの乗ったケージが徐々に破壊されるというハラハラドキドキの展開に。あまりのリアルさに、ついバーチャル空間であることを忘れて「わーっ」と叫んでしまった。まさに、海外にあるような「ケージの中から"野生のサメ"を鑑賞するアトラクション」に参加中、サメにケージを壊されてしまったような恐怖感を味わえるのだ(実際に体験したことはないが)。そのリアルさは、これまでもテーマパークなどにある3Dを駆使したアトラクションをいくつも体験している筆者にとっても予想以上で、いい歳をして叫び声を上げたり、身体をのけぞったりしてしまった。

AnimeJapan 2016に出展された5タイトル

筆者が体験した『The Deep (仮)』のビジュアル

「PlayStation VR」を体験する来場者たち

なお、この『The Deep (仮)』にはゲーム要素はないが、他のタイトルにはゲーム性の高いもの、あるいは完全なゲームもある。例えば、『THE PLAYROOM VR』は、VRヘッドセットを装着したプレイヤーとコントローラーを持ったプレイヤーが対戦するアクションゲームで、VRヘッドセットを付けたプレイヤーは「モンスター」の目線から、頭を左右に動かしてビルを破壊したり、敵からの攻撃を避けたりして「手ぶら」でプレイするという。

『THE PLAYROOM VR』は、ヘッドセットを装着したプレイヤーとコントローラーを持ったプレイヤーが対戦するゲームの様子

音ミクのライブを観客として疑似体験できる『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project VR Tech DEMO』を楽しむ来場者

また、『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project VR Tech DEMO』は、初音ミクのライブを観客として疑似体験できるデモコンテンツで、手に持ったPlayStation Move モーションコントローラを音楽に合わせて振ると、さまざまな演出が展開されるというものだ。ちなみに、今回の5タイトルの中で最も早く整理券の配布が終了したのがこの『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project VR Tech DEMO』とのことだ。

なお、今回「PlayStation」ブースに出展された5つのタイトルはいずれも試作コンテンツであり、製品化については不明とのことだ。

12:30の時点で、当日分の整理券の配布が既に終了し「キャンセル待ち」の人々が列をなしていた