俳優の仲村トオルが25日、東京・赤坂のTBSで行われた同局の月曜名作劇場『陰の季節』『刑事の勲章』(4月18日・25日放送)の取材会に出席した。

俳優の仲村トオル

TBSは4月11日より、月曜21時からの2時間枠を新たなタイトル「月曜名作劇場」としてスタートを切る。4月18日と25日の同枠では、特別企画として横山秀夫サスペンスを2週連続で展開。第1弾は、第5回松本清張賞受賞作『陰の季節』、第2弾は「オール讀物」2002年2月号に初出の書籍未収録短編『刑事の勲章』を放送する。主人公の警察部警務課の調査官・二渡を演じるのは、映画『64 -ロクヨン-』(前編5月7日/後編6月11日公開)でも同役を務めている仲村トオルだ。

仲村は、事件ではなく人事を扱う二渡役について「主に警察署の中で仕事をするという警察官の役は初めてだった」と言い、「終わってみたらすごくおもしろかった」とコメント。「事件を解決するとか犯人を逮捕するとか白黒つけるのではなく、グレーでいいんだと。義理人情みたいなものでさじ加減を変えるような役がおもしろかったですし、そういうおもしろみのある作品になった」と手ごたえを語った。

そして、先に撮影した映画で演じていく中で「人事の人は自分の感情を悟られないようにするのではないか」との考えに至ったそうで、ドラマの撮影に入った時はそれが「核になった」と説明。誰に対しても完全にはオープンにしていないことを表現するため、ジャケットのボタンをほとんどはずさないようにしていたことも明かした。

また、二渡との共通点について「白黒つけなくてもいいというところが似ていると思う」と分析。同席した榎戸耕史監督は「どの人とも距離感が変わらないのが(仲村の)すごいところ。そこは(二渡と)ドンピシャでした」と適役だったと語った。監督の言葉を聞いた仲村は、警察署内で自分に向いている仕事を聞かれると「意外と人事かな(笑)。人との距離感という意味では、僕はスッと近づかない体質。そういう人が人事に向いているのであればそうかもしれない」と話し、監督も再び「ぴったり」と太鼓判を押した。

仲村はまた、この役を通じて「社会にとってはささいなことだけど自分にとっては重要なことがこの世界には満ちていると思った」と言い、「そこを積み重ねている作品」とアピール。「登場人物一人ひとりに大切なことがあって、この人にとって大切なことは何だろうって見てもらえると、ラストシーンでそれがわかるようになっている」とドラマの楽しみ方を伝えた。

榎戸耕史監督(左)と俳優の仲村トオル