大日本印刷(以下:DNP)は、フィンランド国立アテネウム美術館と共同で開発したデジタルコンテンツ「at Home(家にて)」が同館に導入され、3月19日より運用を開始したと発表した。

このシステムはフィンランドで人気の高い女性画家ヘレン・シャルフベックの水彩や素描などの作品を、フィンランド語、スウェーデン語、英語、日本語の4カ国語に切り替えて、解説とともに鑑賞できるようにしたもの。 「at Home」では、水彩や素描など紙に描かれた約100点の作品をデジタル化し、より深く作家や作品が理解できるコンテンツを加え、さまざまな角度から鑑賞できる機会を広く提供する。

シャルフベックの画家としての生涯を青年期・壮年期・晩年に分け、それぞれの時代の特徴を、その時代に描かれた作品とともに読み解くことができる。

鑑賞システム「at home」の導入風景 Finnish National Gallery / Anna Kari

このシステムを使うことで、素材の脆弱性から、これまで作品保護の観点から展示の機会の少なかった紙の作品も、広く鑑賞する機会が得られるという。

今後DNPは、鑑賞システム「at Home」の教育的効果を高く評価しているアテネウム美術館とともに、フィンランドの鑑賞教育に関するノウハウを活用し、タブレット端末を利用したワークショッププログラムなどを開発していくという。