ワークスタイルが変わる「パラレルキャリア」

 

ワークスタイルが変わる「パラレルキャリア」

ひとりで複数の名刺を持つ「パラレルキャリア」をご存じですか? 価値観が多様化し、働き方に対する意識も少しずつ変わってきていると言われています。同じ会社や組織で仕事を続けるのではなく、身につけてきた知識や技術などを、社会でより広く活用したいと考える人も出てきました。従来の兼業・副業とは異なる「パラレルキャリア」とはどのようなワークスタイルなのかご紹介します。

「パラレルキャリア」とは?

これまで常識ととらえられていた、終身雇用、定期昇給、年功序列、企業の安定性などの考え方から、キャリアアップのための転職、フレックス、在宅勤務、ワーク・ライフ・バランスといった、働き方に対する新しい考え方が少しずつ広まっています。「パラレルキャリア」とは、本業以外の仕事はもちろん、非営利活動や趣味に関連することを行うなど、大きな意味で複数のことにチャレンジする活動のことです。

今まで培ってきた人脈や知識・経験などを仕事以外に活用するだけでなく、「パラレルキャリア」での新しい人脈や知識・経験を仕事に活かすこともできます。その一例としては、新しい視点や考え方などによって業務を効率化できる、新しい人脈によって可能性が広がるなどのメリットが考えられるでしょう。最も特徴的なのは、報酬だけがその目的ではないということです。

企業として「パラレルキャリア」をどうとらえるか?

従来の兼業・副業と同様に禁止する企業もありますが、ある一定のルールのなかで「パラレルキャリア」を認めている、または、ある条件のもとに評価する企業も出てきています。これらの企業では、仕事にプラスの影響を与えると判断できるもの、仕事にマイナスの影響を与えないと判断できるものである場合に限り、認めているというケースがほとんどです。

社員の「パラレルキャリア」を応援することは、ワーク・ライフ・バランス重視の考え方から、企業としても一種の社会貢献活動としてとらえることができます。さらに、社内教育だけでは得られない、社員のモチベーションアップとして、期待される部分もあります。

「パラレルキャリア」の導入事例

グループウェアの「サイボウズ」には、ボランティアや業務にプラスと考えられる副業を認める制度があります。ある女性社員は、アフリカへの「青年海外協力隊」に2年間参加するために、ボランティア休暇制度を活用する「パラレルキャリア」を認められました。会社の「育自分休暇制度」という制度を利用して、いったんは退職し、帰国後にまた復職するというものです。また、専門職の社員の中には「サイボウズ」とIT関連の「ダンクソフト」、2つの企業に所属している例もあるのだとか。

サイボウズの代表である青野氏は「会社の中にないものを外の世界から引っ張ってきて結合できる、これこそがイノベーション。そう考えると、みんな僕の知らない世界で複業して、どんどんイノベーションを加速してくれればと思うくらいです」と語るなど、「パラレルキャリア」のメリットを感じているようです。複数の団体や企業に所属することで、お互いのいいところを共有できるメリットがあるのです。

ボランティアの事例は通常の業務とは異なるプロジェクトへの取り組みとしてとらえられ、専門職の事例は協力関係にある他社の技術やアイデアを、自社への技術アップにつなげるというメリットが考えられます。

企業が取り入れやすい「パラレルキャリア」

いきなり「パラレルキャリア」を導入しようと思っても難しいかもしれません。以下に、比較的取り入れやすい導入例をご紹介します。
1. ボランティア休暇
ボランティアが目的のための有給休暇や、休職制度などがあります。
2. キャリアアップ支援制度
業務に直接の関わり合いのない資格(趣味も含む)でも、会社が認めたものであれば、受講料や受験料などを補助するというものです。
3. チャレンジ制度
スポーツや絵画など趣味を含む内容でも、大会やコンテストなどにあらかじめ挑戦することを会社に申請して、達成できた場合に賞金などを贈るというものです。

これからの「パラレルキャリア」

業界再編や経済状況の変化、ITの活用などによって、業務内容も多様化してきています。「仕事」が人生の大きな割合を占めることには変わりありませんが、それ以外の家庭や社会奉仕、趣味なども人生の大切な要素であると考えられるようになりました。

企業にとっても「パラレルキャリア」を充実させることは、社員の自己管理、特に時間管理が必要とされ、優秀な人材の育成につながるとも考えられています。「パラレルキャリアは、」社内だけで業務をするという「会社人間」ではなく、社外でも活躍できる「社会人」としての視野や考え方、人脈を取り入れて、業務を活性化する可能性があります。企業の実態に合わせて「パラレルキャリア」を導入することで、採用から人材育成までの新しい仕組みを考えるのもいいのではないでしょうか。


本記事は「キャリア採用ラボ」から提供を受けております。
著作権は提供各社に帰属します。

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