国土交通省は3月22日、2016年1月1日時点の公示地価を発表した。

東京圏の戦線別周辺商業地の公示価格例(中心から20km、クリックで全体を表示/国土交通省HPより)

訪日客の増加などで商業地の地価が上昇

公示地価の全国平均は0.1%上昇し、リーマン・ショック前の2008年1月以来、8年ぶりのプラス。用途別では、商業地は0.9%上昇し、同じく8年ぶりのプラス。一方、住宅地は0.2%下落し、8年連続のマイナスとなった。

東京圏の平均変動率は前年比1.1%上昇し、3年連続のプラスとなった。用途別では、住宅地は0.6%上昇、商業地は2.7%上昇と、共に3年連続のプラスとなった。同省は「オフィス事業が堅調であることに加え、訪日客の大幅増といったインバウンド要因が加わり、商業地でかなり高い上昇がみられる」と分析している。

商業地の価格ランキングをみると、「山野楽器銀座本店」がある東京都中央区銀座4丁目が1平方メートル当たり4,010万円でトップ。前年より18.6%上昇し、現在の統計方法となった2002年以降で過去最高額を更新した。

2位は「銀座ソニービル」が建つ中央区銀座5丁目で3,470万円(同18.0%増)、3位は「丸の内ビルディング」がある千代田区丸の内2丁目で3,280万円(同7.2%増)となった。

東京都中央区銀座4丁目が最高額となった要因として、同省は訪日客の来訪、売上増に伴う店舗賃料の上昇、ブランド旗艦店の出店を挙げ、「既存の建物の建て替えや投資需要がかなりみられることに加え、大規模な再開発も進んでいるなど、複合的な要因が考えられる」と分析している。

住宅地の価格については、東京23区の平均価格は、千代田区が1平方メートル当たり235万8,600円で1位。2位は港区で150万8,900円、3位は中央区で110万8,700円、4位は渋谷区で1,05万4,000円、5位は目黒区で81万1,000円だった。