楽天は、旅行予約サイト「楽天トラベル」の2016年3月19日~5月15日間の予約人泊数をもとに、春の訪日外国人の旅行動向を発表した。

人気の都道府県の上位10位は以下の通り。

1位: 東京都
2位: 京都府
3位: 大阪府
4位: 沖縄県
5位: 福岡県
6位: 北海道
7位: 愛知県
8位: 神奈川県
9位: 岐阜県
10位: 山梨県

また、伸び率が高かった都道府県の上位5位は以下の通り。

1位: 茨城県
2位: 埼玉県
3位: 福岡県
4位: 岩手県
5位: 沖縄県

同サイトにおける春の訪日外国人旅行は、円安やビザ発給要件の緩和を背景に2015年の同時期と比べて55.4%増と伸びており、大都市を抱える都道府県がランキングの上位10位に入っている。中でも沖縄県・福岡県・愛知県は、航空便およびクルーズ船のアクセス拡充などにより2015年の2~5倍まで急増しているという。

人気が急上昇した伸び率1位の茨城県は、「日本さくら名所100選」にも選ばれている「かみね公園」がある日立エリアの宿泊予約が伸びたとのこと。2位の埼玉県では、小江戸で知られる川越エリアの新河岸川沿いで春の舟遊などを楽しむ「桜まつり」が開催され、いわゆる「ゴールデンルート」外の桜名所に訪日外国人の注目が高まっているとしている。

旅行者の居住国別では、中国・台湾・香港・タイからの宿泊予約数が多かったという。特にタイに関しては、タイの旧正月期間(4月13日~15日)中が前年比26.1%増と伸びている。タイからの入国者数は2014年・2015年共に対前年比で20%以上増加しており(日本政府観光局(JNTO)調べ)、その背景には、日本・ASEAN友好協力40周年を契機として2013年7月から、15日を超えない短期滞在での活動を目的とするタイ国民が、査証(ビザ)無しで日本に入国できるようになったことが考えられるという。

同期間におけるタイからの訪日外国人の人気エリアの上位には東京都・大阪府・山梨県などが並ぶが、ゴールデン・ルート以外への流入が見られ始めているとのこと。特に急増している地域としては、福岡県の福岡市・太宰府・二日市エリア、大分県の湯布院・湯平エリア、別府エリアがあり、九州の温泉地人気の高まりが見られるとのこと。

また、中国の労働節の休暇中(4月30日~5月2日)においては、中国・香港・シンガポールからの宿泊数が2015年と比べて約5.9倍と増加しており、大都市圏の観光スポットや温泉地近隣での宿泊予約が増加しているという。特に、京都府・福岡県・沖縄県・愛知県が急伸しており、その要因としては拠点とする空港での増便が挙げられるとのこと。また、東京都や大阪府では、新宿やミナミなどの繁華街や、銀座・日本橋やベイエリアなどの観光スポット近隣に宿泊するケースが見られるという。大分県では、「外国人に人気の温泉地ランキング」で2位となった湯布院周辺が人気を集めたとのことだ。