日本代表、2016年初戦の注目はトップ下…清武&原口が10番背負う香川を追い上げる

22日の練習に臨んだ原口元気。代表合流前の試合で1ゴール1アシストの活躍をした [写真]=兼子愼一郎

 24・29日の2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア2次予選、アフガニスタン・シリア2連戦に向け、21日から埼玉県内で合宿に入った日本代表。2日目となった22日は合流が遅れていた本田圭佑(ミラン)、香川真司(ドルトムント)、川島永嗣(ダンディー・U)、ハーフナー・マイク(ADOデン・ハーグ)の4人も加わり、24人全員が揃った。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が練習開始前に川島、ハーフナー、本田、香川をそれぞれ呼んで話をする場面も見られ、彼らへの期待の大きさを伺わせた。

 ただ、冒頭15分間のみのメディア公開となったトレーニングで、本田、香川、川島の3人は完全別メニュー。コンディションを考えると、アフガニスタン戦には先発しないことがほぼ確実と言える。彼らが戦術練習に加わらなかったため、この日は流通経済大学の相澤祥太が飛び入り参加。中盤を中心に複数ポジションの穴を埋めた。

「今日は攻撃の戦術がほとんどだった。タテに速く、ワンタッチでどんどん入れていくところはブレてないです」とスタメンが有力視されるGK東口順昭(ガンバ大阪)も言うように、ハリルホジッチ監督は攻めのバリエーションを増やそうと躍起になっている。とはいえ、これまでの2次予選同様、相手は自陣に引いて守ってくるはず。そういう相手をいかに崩して点を取るかが、2次予選ラスト2連戦最大のポイントになってきそうだ。

 本田、香川が出ないとなると、攻撃陣の顔ぶれもこれまでとは大幅に入れ替わる。最前線はレスターでプレミアリーグ優勝争いの原動力となっている岡崎慎司か、昨年11月のシンガポール戦で代表初得点を挙げた金崎夢生(鹿島アントラーズ)か、期待の長身FWハーフナーか、判断が分かれるところ。日本と実力的に拮抗しているシリア戦でよりベストに近い陣容を起用するのが順当なだけに、アフガニスタン戦の岡崎温存もありえるかもしれない。とはいえ、ハーフナーはイザという場面の切り札になる可能性が大。やはり今回は金崎先発の確率が高そうだ。

 右サイドは新戦力の小林悠(川崎フロンターレ)、左サイドは宇佐美貴史(G大阪)と見られるが、問題はトップ下をどうするか。ハリルホジッチ監督は清武弘嗣(ハノーファー)か原口元気(ヘルタ・ベルリン)のどちらを使うか頭を悩ませているに違いない。

 本職のトップ下にこだわるなら、2月21日のアウクスブルク戦で長期離脱から復帰後、最近4試合フル出場の続いている清武がベターだろう。ブンデスリーガ1部ダントツ最下位に沈むハノーファーの中で、独特のひらめきと創造性、精度の高いキックで決定機を作れる清武は希望の星と言っていい。「代表のことはあまり考えていないけど、宏樹(酒井)、蛍(山口)と3人で『日本人はできる』ってことを見せたい」と2月の復帰直前に彼は語気を強めていた。アフガニスタン戦でも彼らのいずれかはピッチに立つ見通しで、クラブで育んでいるいい連携を出す絶好の機会でもある。

 しかしながら、原口は今シーズンのブンデス3位と大躍進中のヘルタ・ベルリンでシーズンを通してコンスタントに試合に出場。19日のインゴルシュタット戦で1ゴール1アシストの華々しい活躍を見せた。パル・ダルダイ監督から左右のサイドやトップ下、1トップとさまざまな役割を任され、それを献身的にこなしている点も高く評価されている。ハリルホジッチ監督も「彼は真ん中でもできる。もっと点を取ってほしい」とよりゴールに直結する仕事のできる人材だと位置づけている。

「クラブと代表は全く別物。完全にブンデスのことは頭にないですし、切り替えています。どこのポジションで出たとしても、自分のよさと求められていることのバランスをうまく取りたい。ただ、今日やった感じではまだまだだった。ミーティングもあるし、もう1回考えて、もっといろんなイメージをみんなで作っていきたい」と彼は慎重な姿勢を崩さなかった。

 どちらが使われたとしても、やはり最大のタスクは得点。自らシュートを打つのはもちろん、周囲の金崎や小林らと短期間でコンビネーションを合わせていく必要がある。そういう「即興性」を求められるのが、代表の難しさでもある。このハードルを彼らのいずれか1人、もしくは両方がクリアした時、2011年からエースナンバー10を背負う香川もウカウカしてはいられなくなってくる。現に最近の香川は同じドイツでプレーする2人より存在感がやや薄い。好不調の波が大きく、メンタル的にも不安がつきまとう。

「代表には常に競争があるものだと思っていますし、いい選手が出られる場所。実績とかは関係ないので、その場で結果を残すことだけを考えたい。そういう戦いは日本代表にはあるし、どこへ行っても同じ。ドルトムントでもポジション争いは激しいし、1試合でも2試合でも悪かったらすぐに変えられる経験を自分はしている。そういう競争は代表にとってもいいこと。そこに打ち勝っていけるように頑張っていきたい」と香川は言葉を絞り出していた。

 そんな10番を追い上げ、トップ下の選手層を一気に厚くできるのか。清武、原口の一挙手一投足が楽しみだ。

文=元川悦子


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