西武・鬼崎裕司、チームに欠かせない名脇役

 

チームに欠かせない存在感を発揮する西武の鬼崎裕司

◆ 内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤー

 試合前の西武のシートノック、中村剛也、浅村栄斗といった中心選手もノックを受ける中、背番号5が大きな声を張り上げノックを盛り上げる。さらに試合に入ると攻撃中、ベンチからは誰よりも大きな声を出し、得点が入ると生還した選手を笑顔で出迎える。西武の背番号5・鬼崎裕司はその「声」でチームを盛り上げるムードメーカー的存在だ。

 鬼崎は佐賀工、関東学院大、社会人の富士重工を経て07年の大学・社会人ドラフトでヤクルトから指名を受け入団する。1年目はわずか3試合に出場に終わるが2年目の09年、シーズン終盤の9月に正ショート・川島慶三が戦線離脱し、その代役として出場機会を得る。9月23日の広島戦に「7番・ショート」で初めてスタメン出場を果たすと、その試合でプロ初安打初打点を含む3安打2打点の活躍でチームを勝利に導いた。

 その後、シーズン終了まで15試合と少ない試合出場ながら打率.356、2本塁打と結果を残す。10年には出場機会が増え60試合に出場した。そんな矢先、11年にはシーズン途中に小野寺力とのトレードで西武へ移籍。しかし、選手層の厚い西武ではなかなか出場機会がなく、不本意なシーズンとなった。

 新天地でなかなか結果が出ない鬼崎だったが12年、持ち前の泥臭いプレーでチームに貢献していく。首位・日本ハムと優勝争いを繰り広げていた9月22日の直接対決。1点を追う8回裏無死一、二塁の場面で鬼崎は代打で登場する。初球、2球目とバスターを試みるがいずれもストライクを取られカウントは0-2。追い込まれてプレッシャーの掛かる場面、鬼崎はスリーバントを敢行し外角高めのボールをピッチャー前に転がした。

 鬼崎の送りバントでチャンスを広げた西武はその後、ヘルマンの同点打、続くカーターの遊ゴロの間に1点を追加し勝ち越しに成功する。試合後、移籍後初めてお立ち台に立った鬼崎は「根性バントやりました!」と絶叫。西武ファンにその存在を印象付けた。鬼崎はホーム最終戦となった10月6日のロッテ戦でも9回に送りバントを決め、その後のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 そして13年、鬼崎にとって飛躍の年となった。前年まで不動のショートだった中島裕之がアスレチックスへ移籍。開幕からルーキーの金子侑司がショートを任されたが、レギュラー定着には至らずシーズン中盤からは鬼崎がショートのレギュラーに定着する。鬼崎は献身的なプレーでチームを支え、終わってみれば自己最多となる105試合に出場した。翌年には背番号が56から4と変更。

 16年、西武のショートはオープン戦で結果を残してきた2年目・外崎修汰が開幕から任される可能性が高い。鬼崎はベテランの渡辺直人、木村昇吾とともに内野のバックアップメンバーとして守備固め、代走、代打の役割を担う。西武を支える名脇役・鬼崎裕司の渋い働きが今年も西武には欠かせない。


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