LINEは3月17日、同社が提供するニュースサービス「LINE NEWS」、「LINEアカウントメディア プラットフォーム」の最新実績および今後の展開についての説明会を開催した。

同社は2015年12月1日よりLINEの式アカウントを利用したニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」を開始した。以降、全38メディア(自社メディア4社含む)が参画し、累計購読者数が1,000万人を超えたという。

同社 上級執行役員でメディア担当の島村武志氏は、「『LINE NEWS』、『LINEアカウントメディア プラットフォーム』は、2015年末時点で2,200万UUと順調に成長しており、多くの方に接触いただけるプラットフォームになっている」と、順調に利用者が拡大している点をアピールした。

LINE 上級執行役員でメディア担当の島村武志氏

同社は3月10日、全国の13~69歳のスマートフォン(iPhone/Android)を所有するユーザー1,682名に対し、ニュースサービスの利用に関する意識調査を実施し、その結果を発表している。

それによると、スマートフォンで利用されているニュースサービスは全体でYahoo!が49%と最も高く、LINEが23%と続いた。20代以下はLINEをはじめとしたSNSとまとめ系サイトの利用率が高く、年代が高くなるにつれてYahoo!やSmartNewsの利用率が高まる傾向が見られたという。

スマートフォンで使用するニュースサービス(LINE調べ)

また、世代ごとの傾向では、20代以下の若年層は、LINEを含むSNSやまとめ系サイトなどからニュースを取得している傾向が強く、インターネット上の多様な情報の中から、自身に関係性の高い情報・ニュースをコミュニケーションの一部として取得しており、30代、40代のミドル層は、仕事やプライベートで多忙な方が多く、スマートフォンやテレビ、パソコンなど多様なデバイスを使って必要なニュースを積極的に探し、取得する傾向が強いという。そして、50代以上の層は、新聞やテレビ、ポータル型ニュースサイトなど従来型のニュースサービスを数多く利用し、多様なニュースを閲覧しているという。

この結果を受け島村氏は「Yahoo!の認知度が高く、利用としても高いことが認識でき、自分達の位置を改めて確認できた。記事への接触回数は2016年2月末で1.4億を超えており、LINEをプラットフォームを使ってニュースに接触する人も増えており、実績をつくりつつある」と語った。

同氏は他のSNSとの違いについては、「ツイッターやFacebookはダイジェストを見た人数が多く拡散力があるが、再訪率は低い。一方、LINEは再訪率が高く、媒体と読者をエンゲージメントができるメディアだ」と分析した。

5つの新たなユーザー獲得施策を発表

そして同社は同日、LINEユーザーとニュースの接点を増やし、距離を縮めるための5つの新たな取り組みを発表、今後順次実施していくとした。

1つ目は、LINEユーザーとニュース媒体とのマッチングの強化策として、パーソナライズ配信機能「FOR YOU」を搭載する。

これは、ユーザーのLINEおよびLINE関連サービスの利用履歴に基づいて自動的に推定されたユーザー属性・関心軸をもとに、個人に最適化された記事を推薦する、レコメンド機能。「FOR YOU」は、LINEアプリ内のLINE NEWSトップページに表示される。

2つ目はLINEタイムライン最上部へのニュース枠新設で、「タイムライン」最上部に「LINE NEWS」および、「LINEアカウントメディア プラットフォーム」参画メディアより配信されるニュース記事を常時表示するニュース枠を新設。当初は全ユーザーに同一のニュースが配信され、2016年上半期中を目処に「FOR YOU」機能との連動によるパーソナライズ配信を開始予定。なお、記事は常時3件掲出され、定期的に更新される。

「FOR YOU」のイメージ

「LINEタイムライン」ニュース枠イメージ

3つ目は、友達の獲得支援策として提供される「友だち限定記事」機能。これは、ユーザーの友達を登録すると記事の全文が読めるというもの。他媒体が実施している、ユーザー登録すれば全文が読めるという会員獲得機能と同様のもの。同社は「FOR YOU」機能と連動させることにで、メディア特性にあったユーザーに向けて「友だち限定記事」を配信することができるとしている。

「友だち限定記事」機能

島村氏は「会員登録と似ているが、LINEに登録している人は多いので、1タップだけで追加できるのが特徴だ」と説明した。

4つ目は参加媒体の拡大だ。現在LINEニュースには38媒体がニュースを提供しているが、新たに地方紙17紙と専門媒体5メディアが新たに追加される。

5つ目は分析ツールの強化で、2016年上半期中を目処に「ニュースエンゲージメントランク」を導入する。ニュースエンゲージメントランクでは、独自の算出方法によりユーザーの満足度を測定し、その結果を参画メディアにフィードバックする。同社は広告掲載スペース収益の半分をメディアに還元するとしているが、今後はニュースエンゲージメントランクにより、50%以上を還元することも行っていくという。