出場機会に飢えた男が日本上陸…カイケは横浜FMの救世主となれるのか

 

昨年はフラメンゴでプレーしていたカイケ [写真]=Getty Images

 3月8日、フラメンゴはカイケの横浜F・マリノスへの移籍が決定したと発表した。

 首都ブラジリア出身のカイケは、フラメンゴの下部組織に入団するため、10歳の時にリオデジャネイロに活動の拠点を移す。ブラジル屈指の強豪クラブで揉まれると、その実力が大きく開花し、前線の核としてチームに欠かせない存在となる。得点はもちろんのこと、中盤でのゲームメイクやセットプレーのキッカーを務めるなど、当時は『カイケのチーム』と言っても過言ではなかった。フラメンゴの下部組織時代に記録した通算得点数は実に280にもおよび、2007年に見事トップチーム昇格を果たす。

 しかし、当時すべての大会で好成績を残し、トロ(アナポリス)やレナト・アウグスト(北京国安)らを擁するフラメンゴで、19歳のカイケにはなかなかチャンスが回ってこなかった。途中出場でリーグ戦4試合に出場するも、大きなインパクトを残すことなくプロ1年目を終えることとなった。2008年からは国内の複数クラブをわたり歩き、2010年には欧州挑戦を決意。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ポルトガルのリーグを経験した。

 そして昨年、ブラジルW杯で日本代表が試合を行ったナタルを拠点とする2部のABCに加入すると、通算20ゴールを挙げる活躍を残す。この活躍で名が知れ渡り、サントスが獲得に乗り出すが、本人は古巣フラメンゴへの復帰を選択。当時の指揮官オズワルド・オリベイラ監督(元鹿島アントラーズ)も、カイケの才能を高く評価し、リーグ戦16試合に出場し6得点を記録。第22節のアヴァイ戦、第34節のゴイアス戦では1試合2得点を決め、ブラジルの有名サッカー専門紙『Lance!』のベストイレブンにも選出された。

 しかし、カイケの活躍とは裏腹にチームの成績は奮わず、リーグ戦閉幕を待たずにオズワルド・オリベイラ監督は解任。フラメンゴの新指揮官には、サントスを世界一に導いた経験を持つムリシー・ラマーリョ氏が就任した。今シーズンは、ひざのケガで出遅れた影響もあり、パオロ・ゲレーロ(ペルー代表)、エメルソン(元浦和レッズなど)、マルセロ・シリーノ、フェリペ・ビゼルに次ぐFWの5番手として、いまだ出場機会が与えられないままでいた。

 カイケのプレーの特長は、スピードを生かした裏への飛び出しとゴール前での落ち着いたプレーだ。相手の背後にうまくポジションを取り、隙を見ては何度も飛び出し、相手DFの脅威となり続ける。GKと1対1のシーンでは、足裏を使ったプレーで相手を抜き去るなど、ゴール前での落ち着きも持ち味だ。身長は182センチと決して長身ではないが、打点の高いヘディングも日本では大きな武器となるだろう。

 おそらく横浜FMでは、ワントップの位置に入ることが予想される。中村俊輔という日本屈指の司令塔がいるチームで、彼の得意とする裏へ抜け出すプレーは数多く見られることとなるはずだ。そして、下部組織時代からセットプレーのキッカー務めていたこともあり、高精度な右足でのFKにも注目だ。ペナルティエリア付近はもちろんのこと、長距離からの弾丸FKも得意とする。左の中村俊輔に対し、右のカイケという選択肢が増えたこととなった。また、アジアには初挑戦となるが、海外でのプレーを経験していることもプラス材料となるだろう。

 横浜FMは、昨シーズン大きなインパクトを残したアデミウソン(ガンバ大阪)がチームを去り、ラフィーニャが長期離脱中と最前線の選手が不足。リーグ戦ではいまだ未勝利で、得点も中村俊輔がFKで挙げた1点のみと、得点力不足にも陥っている。フボ・ネグロ(フラメンゴの愛称)に別れを告げたカイケは、横浜FMの救世主となれるのだろうか。


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