NECと綜合警備保障(ALSOK)は3月8日、ICTと警備サービスを組み合わせ、国内の治安維持・向上および生活の安全・快適性の確保に貢献するとともに、国際的な平和維持に寄与するため、相互に協力して国内外に展開可能な新しいスタイルのサービス提供を目指し、協業を開始したと発表した。

近年、オフィス商業ビルをはじめとした都市空間や大規模イベント会場といった不特定多数の人が集まる環境下では、施設・空間における事故発生時の対処・被害拡大防止に加え、犯罪などの未然防止・予兆検知の必要性が高まっている。

特に大規模イベント開催時の警備では、緊急事態に対応するための最適な人員配置など効率的なマネジメントを可能にする警備手法の実現が課題となっている。また、自然災害の発生に備えた防災基盤の強化や、空港・税関などの重要施設、公共交通機関・大規模集客施設といった比較的警備が厳重でない場所、いわゆるソフトターゲットに対する警戒・警備の強化が求められているという。

両社はこれらの社会課題の解決に取り組むため、大型のオフィス商業ビルや大規模イベントでの実証実験を通じ、警備サービスの生産性向上および品質向上に関する検討を行なってきた。

これまでの実証結果を踏まえ、両社では新たなサービスの提供を目指し、検討を行うため協業することに合意した。それぞれが提供する社会価値を共有し、これまで培ったノウハウやリソースを相互に投入することで新しい警備スタイルを構築し、多様な社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

今回の協業では、ALSOKがこれまで推進してきたオフィス商業ビルをはじめとした施設や大規模イベントなどに対し、品質向上を図った警備およびコスト最適化を実現する「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント」をNECのAI技術などと組み合わせることで具体化し、新たな警備サービスの提供に取組んでいく。

さらに、ゾーンセキュリティマネジメントの提供で得られる知見・データを蓄積、知識化(ナレッジ化)し、新たな警備サービスの根幹となるプロセスとして「情報収集、判別・識別、予測・判断、実行・対処」を継続的に進化させていく方針だ。