肥満を伴う月経異常、不妊原因の1つ「多嚢胞性卵巣症候群」のリスクあり

 

ABC Cooking Studio、オムロン ヘルスケア、ドコモ・ヘルスケアが設立した「女性のカラダ・ミカタ宣言」コンソーシアムはこのほど、「いつかママになるためのカラダづくり」プログラムの成果を発表した。同プログラムは20~30代の働く女性33名を対象に実施した。

参加者の月経周期分類

同プログラムでは、全3回(2015年11月21日、2015年12月12日、2016年1月23日)にわたりワークショップを開催。専門家による妊活(妊娠活動)に関する食事や生活習慣の講義、ABCによる栄養に関する講義と調理デモンストレーションを行ったほか、体重やBMI(体格指数)などの体組成測定や食物摂取頻度調査(FFQg)、生活習慣や体調に関する調査などを実施した。

さらに参加者は、約3カ月間にわたりオムロン ヘルスケアの婦人用電子体温計「MC-652LC」と、ドコモ・ヘルスケアのアプリ「カラダのキモチ」を使用し、毎朝基礎体温を測定。アプリに記録し、月経周期に沿ったアドバイスや、自分のカラダの状況を知るきっかけづくりを行った。

参加者が測定した基礎体温データを分析したところ、測定データから排卵していることが推定できる17名のうち、月経周期が正常できれいな二相性の基礎体温パターンを示した人(正常群)は約67%と、3人に1人の割合で異常が見られたという。

正常群と異常群を比較すると、正常群の方が異常群に比べて1日に必要な栄養量を摂取している「エネルギー充足率」が約19%高いことがわかった。中でも、炭水化物とレチノールの摂取量が高いという。

月経周期正常群 / 異常群ごとのエネルギー摂取状況・体組成比較

また、体組成データの比較では、異常群の方が体重やBMIが有意に高く、肥満傾向であることも明らかになっている。肥満を伴う月経異常は、卵子をうまく排出できない婦人科疾患である「多嚢(のう)胞性卵巣症候群(PCO)」の可能性もあり、不妊の原因の一つとも考えられている。そのため、早めに婦人科を受診し、適切な指導・治療を受けることが重要になるとのこと。

月経周期正常群 / 異常群ごとの体重、BMI、体脂肪率

第1回目のワークショップ参加時点では、参加者の約95%がエネルギー摂取量不足の状態にあり、食物繊維および鉄分は100%が不足、カルシウムは81%が不足、塩分や脂質は半数以上が過剰摂取状態にあることがわかった。一方、76%の参加者がバランスのよい食事を「だいたい取れている」「十分に取れている」と考えており、意識差があることも明らかとなった。

また、女性に必要な1日の摂取エネルギーは、身体活動レベルが「ふつう」の18~29歳女性では1950kcal、30~49歳女性では2000kcalとされている(厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2015年版」より)。第1回目のワークショップ参加時点では、参加者の平均摂取エネルギーは1597.1kcalと大きな差が見られたが、3回目のワークショップ参加時点では平均1727.5kcalまで改善した。

参加者の食事傾向:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較

意識調査では、バランスのよい食事が「取れていない」と考えた人は2倍以上増加し、自分の食生活を客観的に正しく評価できるようになったと考えられる。

参加者の食事バランスへの意識:第1回目と第3回目のワークショップ時の調査比較

プログラム実施後に行ったアンケートでは、「ホルモン周期から、イライラや調子が分かるので気持ちの揺らぎを客観的に見ることができた」「月経前のドカ食いはホルモンのせいだと気付き、コントロールすることができました」などという声が寄せられたとのこと。

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