日立製作所は3月4日、企業の商品情報や購買履歴データを基に顧客の多様な嗜好を分析・可視化し、顧客視点での商品企画や販売施策の立案に貢献するという「顧客インサイト分析サービス」を提供開始した。価格は個別見積。

顧客インサイト分析サービスの概要

新サービスでは、健康志向や価格重視、トレンド追随といった顧客の多様な嗜好を定義し、それらを各商品の特徴に関連付けた上で商品の購買履歴データを分析することで、特定の嗜好を持つ顧客層が多く購入する商品を明らかにし、企業の施策立案で考慮すべきポイントを明確化したレポートを提供する。

分析には、同社が新たに開発した情報抽出技術を利用しており、同技術では、過去の分析結果を最新の購買履歴データを基に更新する際に、膨大な更新情報の中から重要な点を抽出できるとしている。

これにより、変化する顧客の嗜好と購入する商品の関係性を的確かつ継続的に捉え、施策立案において考慮すべきポイントを容易に把握できるという。加えて、データの偏りを補正する確率モデルを機械学習することで、新商品など購買履歴の少ない商品も含めた精度の高い分析が可能とのことだ。

同社が挙げる実証事例によると、ターゲット・メールやクーポン配信への適用では従来のアプローチと比べて販促対象商品の購買率が約2倍に向上し、品揃え改善への適用では対象分野の商品売上が最大約10%向上、メニューのおすすめ表記への適用では施策立案の工数が8分の1に短縮すると共に購買人数が5%向上したという。

同サービスにより、多様化する顧客ニーズを的確かつタイムリーに把握できることで、売上向上につながる商品の企画・開発や店舗における品揃え・配置などの施策立案を支援する他、仕入や在庫計画の精度を高め、コスト削減にも貢献するとしている。