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Softpediaに2月26日(米国時間)に掲載された記事「90 Percent of All SSL VPNs Use Insecure or Outdated Encryption」が、SSL VPNの9割ほどが古い暗号化技術や安全ではない暗号化技術を使っているために適切なセキュリティレベルを提供していないと伝えた。セキュリティファーム「High-Tech Bridge」の調査結果を引用する形で紹介されている。

SSL VPNは従来のIPsecベースのVPNと異なり、Webブラウザからサーバに接続して利用するタイプのVPN。WebブラウザはSSL VPNサーバのインストールされたホストにアクセスし、ブラウザを経由してVPNの機能を利用することになる。この方式はクライアント側に専用のソフトウェアをインストールする必要がなく簡単に利用できるという特徴がある。通信経路やSSLやTLSを使って暗号化されることになる。

High-Tech Bridgeの調査によれば、ランダムに選択した10,436のSSL VPNサーバを調べたところ、それらのうち77%がすでに利用の停止が推奨されているSSLv2またはSSLv3が使われていたと指摘。また、使われているSSLのバージョンに関係なくSSL VPNサーバの76%が検証できないSSL証明書を使用しており、中間者攻撃に利用されるおそれがあることも指摘されている(証明書の期限が切れているにもかかわらず更新されていないことが主な原因だとされている)。

さらに証明書の74%がSHA-1シグネチャでサインされているほか、5%に関してはMD5ハッシュでサインされているとも指摘されている。どちらもすでに安全とは言えないとして利用の停止が呼びかけられている方式だ。さらに悪いことに、SSL VPNの1割ほどはOpenSSLの脆弱性「Heartbleed」を抱えたままだと指摘されており、深刻な状況にあることが指摘されている。

調査したSSL VPNのうち、PCI DSSの要求に準拠していたものは3%、NISTガイドラインに沿っていたものは1つも存在しなかったとしている。SSL VPNは簡単に使い始めることができるため人気があるが、運用状況がセキュリティ面で好ましい状態とは言えないことが示されたことになる。SSL VPNのサービスを利用している場合はセキュリティの状況をチェックするとともに、必要に応じてよりセキュリティレベルの高いサービスへの移行を検討することが望まれる。