東京都・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館は、「樹木」というモティーフを通して、印象派とその前後の時代に描かれたフランス風景画の変遷をたどる展覧会「フランスの風景 樹をめぐる物語-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-」を開催する。会期は4月16日~6月26日(月曜休館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,200円、大学・高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下無料。

シャルル=フランソワ・ドービニー《ヴァルモンドワの下草》1872年 油彩、キャンヴァス 125×89cm カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Photographie : Musée Camille Pissarro

カミーユ・ピサロ《マトゥランの丘にて、ポントワーズ》1874年 油彩、キャンヴァス 45×65cm 個人蔵 Collection privée

クロード・モネ《ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果)》1880年頃 油彩、キャンヴァス 120×155cm 個人蔵 Collection privée

同展は、ロマン派からバルビゾン派、印象派、新印象派、ポスト印象派、象徴派、フォーヴまで、フランス近代風景画が展開する過程において「樹木」というモティーフがどのような役割を果たしてきたのか、その変遷をたどるもの。パリ近郊にあるポントワーズ美術館(カミーユ・ピサロ美術館、タヴェ=ドラクール美術館)館長、クリストフ・デュヴィヴィエの監修のもと、フランスを中心に国内外の美術館、ならびに個人所蔵作品から、油彩を中心に、素描や版画など、自然や樹木に対する画家たちの想いが込められた作品約110点が展示される。

マクシミリアン・リュース《日没の風景》1888年 油彩、キャンヴァス 50×60cm 個人蔵 Collection privée

フェリックス・ヴァロットン《オンフルールの眺め、朝》1912年 油彩、キャンヴァス 146×97cm オワーズ県美術館、ボーヴェ Beauvais, MUDO, musée de l'Oise (c)RMN-Grand Palais / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF

ロベール・アントワーヌ・パンション《ブランヴィル=クルヴォンの谷》1910年頃 油彩、キャンヴァス 65×81cm 個人蔵 Collection privée

同展は、自然に対する関心が次第に高まり風景画を描く画家が登場した、印象派以前のロマン派からバルビゾン派、レアリスムまでを紹介する「第1章」、刻々と変化する自然の形態を画面にとどめるため、屋外で作品を仕上げるようになった印象派と新印象派を紹介する「第2章」、色彩や形態など絵画を構成する要素を、自立したものとして表現しようとした印象派以降を紹介する「第3章」で構成されるとのこと。

また、関連企画として、休館日に貸切の美術館で、ボランティアガイドと対話しながら楽しむ参加型の作品鑑賞会「ギャラリー★で★トーク・アート」が開催される。開催日時は6月13日14:00から2時間程度。参加費は1,000円(観覧料不要)、中学生以下無料。参加に際しては5月30日までに同美術館ホームページより申込が必要となる(申込多数の場合は抽選)。そのほか、同美術館学芸員が展示室で作品解説を行うギャラリートークが開催される。開催日時は4月22日17:30および4月23日13:30から、いずれも30分程度。参加費無料、申込不要。