組み体操、一律中止にはせず - 東京都「判断は各学校で」

 

東京都は2月29日、組み体操などの事故を防ぐために設置した「体育的活動における安全対策検討委員会」の協議を開催。大学教授や都内の小中学校校長、それにPTA会長などの委員らが意見を述べた。第2回目となった今回の協議では、「組み体操の実施を全面的に中止することはしない」とした上で、「事故のリスクについて情報提供をし、安全に実施できるかどうかは各学校で判断すべき」との方針を示した。

「体育的活動における安全対策検討委員会」の協議が開催された

問題は指導内容と安全担保の見極め

はじめに同委員会の委員長を務める日本女子大学の坂田仰教授は、「競技の安全性と、教育効果のバランスを考えたときに、どういう方向性が見えてくるのか。自治体が安全を担保できないということであれば、競技の実施を中止するというのもあり得る」と委員に意見を投げかけた。全国的に、競技の実施を一律に中止する自治体が出てきていることを受けたものだ。

これに対し文教大学の米津光治教授は、「問題は、教員の指導内容が適切なのかどうかだ。危険を伴うから競技を全て禁止にするのではなく、どんな原因で事故が起こっているのか検討した上で、安全対策をとる必要がある」と意見を述べた。

また、体育科目の授業研究を行っている江戸川区立西葛西小学校の山下靖雄 校長は、「教員の指導力や選択している技が適切かどうかについて、学校で見極めができているのかが問題だ。一律に中止するという方法もあるが、学校で"見極めが必要"ということを認識しなおさなければ、どんな運動をやっていても子どもたちがけがをする」と指摘した。

さらに、「安全を最優先し、競技をやめてしまうのは簡単だ。組み体操そのものがリスクをはらんでいるということを、指導する側がきちんと認識し安全に取り組めるのか考えることが必要だ」と語ったのは、中学校体育連盟の理事も務めた大田区立雪谷中学校の新宮領毅 校長。

組み体操事故の問題点は、「学校での指導内容」や「安全を担保できる技の見極め」にあるとした意見が続いたのだ。

次はムカデ競走をやめるという議論になる

加えて保護者からも、「競技を一律に中止するのはよくない」といった声があがった。東京都公立中学校PTA協議会で総務財政委員長を務める檜山真一さんは、「安全第一の部分もあるし、新たなチャレンジをしてほしいという気持ちも持っている」と回答。「中止の方向でいくのは簡単だと思うが、続けていけるように何をしていくかを考えていくべき」と訴えた。

加えて日本スポーツ振興センターで学校安全部安全支援課長を務める米山尚子さんは、「私見ですが」と断った上で、以下のような見解を寄せた。「組み体操をやめたら次はムカデ競走をやめる、といった議論になってしまう気がする。フォークダンスをやっていればいいのか、これでは運動会そのものがなくなっていく」。

各学校で判断を

このあと委員からは、競技を実施するか学校が判断するにあたって、「種目の危険性や事故事例を情報提供すべき」「子どもの意思や能力を勘案すべき」などの意見が集められた。

最後に坂田委員長は、「一律中止という方向性の議論は出なかった」とまとめた。「運動会全般を見渡して、必要な注意事項、学校側に必ず確認していただきたいこと、事故事例を情報提供していく」とし、「安全を第一におきながら、競技を実施するか否か各学校が判断すべき」としている。

次回の委員会開催は、3月14日。この日に報告書をまとめ、都教育委員会に提出する。

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