えちぜん鉄道・福井鉄道は3月27日、えちぜん鉄道三国芦原線・福井鉄道福武線の相互直通列車運行開始を柱とするダイヤ改正を実施する。

「フェニックス田原町ライン」運行区間

えちぜん鉄道の新型低床車両L形「キーボ」イメージ

相互直通列車は田原町駅を結節点とし、越前武生駅(福井鉄道)から鷲塚針原駅(えちぜん鉄道)までの区間で運行。両社の路線の位置関係を不死鳥が羽ばたく姿に見立て、「フェニックス田原町ライン」と命名された。この名称は2012年10月、両社による連絡乗車券を発売した際、愛称として採用されたもので、3月27日以降は越前武生~鷲塚針原間の相互直通列車の名称として用いられることになる。

相互直通列車の使用車両は、えちぜん鉄道が新たに導入する低床車両L形「キーボ」と、福井鉄道の低床車両F1000形「フクラム」。「キーボ」は全長18.7m・幅2.65m・高さ4mの2連接車両で、定員100名。設定最高速度72km/h、加速度は3.5km/h/sで、三菱電機製のVVVFインバータ制御装置を搭載する。台車はドイツ・ボンバルディア社製、車体は新潟トランシス製となっている。

相互直通列車の運転本数は1日22本。6~9時台の通勤通学時間帯には、越前武生~福大前西福井間で下り・上り各2本の普通列車が運転される。田原町駅での乗換えがなくなることで、同区間の所要時間が約10分短縮され、片道約50分で移動できるようになるという。

日中時間帯(9~18時)は、越前武生~鷲塚針原間で毎時上下各1本を急行として運転。現在は片道約80分を要する同区間の移動時間が、乗換え廃止により片道約60分へと短縮される。なお、ダイヤ改正と同時に福武線木田四ッ辻電停・公園口電停が急行停車駅に追加されるため、急行として運転される相互直通列車も両電停に停車することになる。相互直通運転開始にともない、今後は両社が協力して実施する企画も増やすとのこと。連携きっぷの販売や相互直通イベント列車の運転、協力イベントの開催などに取り組む予定としている。

各線内のみの列車ダイヤも改正され、福井鉄道福武線では9~20時台の毎時の発車時刻を統一。昼間時間帯の列車本数についても、現行の1時間あたり普通3本から1時間あたり普通・急行各2本へと改める。平日の列車本数も下りが54本から58本に、上りは53本から58本に増便される。福井鉄道では、交通結節機能や利便性向上を目的とした福井駅前電停の移設も実施され、3月27日以降、福井駅西口広場に移される。えちぜん鉄道三国芦原線も一部列車の運転時刻を改める。