Alibaba Group Holding Limited(アリババグループ)と、同社の日本法人であるアリババは2月26日、中国で人気の高い日本製品の安定的調達と、これまでに需要を取り込めていない日本製品の拡販を目的にJapan MD centerを設立したほか、今春にはChina EC workshopを設立すると発表した。これらは、アリババグループが推進するグローバル戦略、天猫国際MD構想(Tmall Global merchandising initiative)の一環として、アリババグループとアリババが共同で運営する。

Japan MD centerでは、アリババグループが運営する越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global)」に出店する日本の小売企業などの店舗にメーカー企業が製品を販売できる「出品」支援サービスを新たに提供し、中国消費者のニーズに合わせた製品選定、流通チャネル設定など包括的なマーケティング支援を行う。

Japan MD centerの役割

また、中国で人気が高く、昨年度の天猫国際において売上の約7割を占める、ベビー・キッズ、コスメ・パーソナルケア、サプリメントなどの製品を中心に需要の高い製品の安定的な調達支援も行う。昨今、話題となっている「爆買い」に代表されるように、安全・安心な日本製品に対する中国消費者の需要がかつてない高まりを見せており、天猫国際においても日本製品の売り上げは急成長しているという。

しかしながら、同社グループでは中国消費者ニーズへの理解不足や製品の魅力を正しく伝えられていない、正規流通ルートが未確立のため製品を安定供給できないなどの理由により、質の高い製品であるにもかかわらず、中国の旺盛な需要を取り込めていないケースも多数あるものと認識している。

アリババが提供する天猫国際への出店支援サービスのチャイナエクスプレスに加え、今回の出品支援サービスの提供により、メーカー企業による製品単位のマーケティング支援を実現する。

一方、China EC workshopは中国市場に興味関心がある日本企業を対象とした研究会となる。アリババグループが蓄積してきた中国EC市場に関するビッグデータや知見をJapan MD centerを通じて、参加企業と共有することで、より中国市場にマッチする製品の研究・開発を支援する。

また、アリババグループが有するビッグデータの分析を通じて得られた情報の提供やECサイト「天猫(Tmall)」、天猫国際のカテゴリー責任者との情報交換会への招待、アリババグループおよび天猫のトップマネジメントメンバーが参加するエグゼクティブカンファレンスへの招待などの取り組みを実施する予定。またJapan MD centerとChina EC workshopは当面、招待制で運営し、実績に伴い広く開かれたプロジェクトへと発展させる予定だという。