NECは2月26日、2月28日に開催される「東京マラソン2016」において、警視庁と連携し、ICTを活用した先進の警備システム・技術の実証実験を行うと発表した。

具体的には、同社独自の「群衆行動解析技術」を用いた固定カメラ映像のリアルタイム解析による混雑状況の早期検知や、一般ランナーと並走する警察官(ランニングポリス)が身に着けるカメラ(ウェアラブルカメラ)から警視庁への高品質かつリアルタイムな映像伝送を行う。

混雑状況のリアルタイム検知では、群衆映像から混雑状況や異変を検知するNEC独自の「群衆行動解析技術」を活用し、ゴール付近に設置したカメラの映像から、周辺エリアの混雑状況をリアルタイムに検知。これにより、混雑状況に応じた群衆の適切かつ効率的な誘導を目指す。

群衆行動解析技術は、事件・事故の発生やその兆しが周りの群衆や集団の行動に影響を与えるという点に着目し、異変につながる「群衆全体の動きの変化」をとらえ、解析するもの。例えば、人の流れの急激な変化や、人の流れに逆らって滞留している集団、人の転倒時の周りに生じる人垣などを防犯カメラを用いて検知する。

群衆行動解析技術による混雑状況の検知イメージ

ランニングポリスと警視庁間での情報共有では、ランニングポリスがウェアラブルカメラと送信機を装着し、ランナーの様子や会場で発生した不測の事態に関する映像をLTE回線により警視庁に送信し共有する。

映像送信においては、同社独自の「適応レート制御技術」により、高画質かつリアルタイムな映像配信を行う。適応レート制御技術は、モバイル通信網(LTE/3G)を利用して、高画質な映像をリアルタイムに配信できる通信技術で、通信スループットの変動にあわせて、映像のビットレートとフレームレートを最適化する。