ひらめきの源は? 「デイリーポータルZ」の林さん流アイデアの生み出し方

  [2016/02/25]

ゆるいおもしろ系記事を毎日更新する「デイリーポータルZ」(以下、DPZ)。同サイトは月間1,800万PVを誇り、「ペリーがパワポで提案書を持ってきたら」「納豆を一万回混ぜる」など、ユニークな記事を発信し続けている。

これらの企画は、どれも普段の生活の中で「それ気になってた!」と、身近なものが多くあります。一体、そのひらめきの源はどこから得ているのでしょう? そこで、DPZのウェブマスター・林雄司さんが、日ごろどうやってネタを探しているのか、密着してみました!

林さんは出社の際、1駅手前で降り、日によってルートを変えながら徒歩で通勤しているといいます。この日は、新宿駅からDPZ編集部のあるニフティのオフィスまで歩いてみました。

「あれ、見てください。パイロンがずらりと並んでいますよね。ただ並んでいるだけですが、 "何でも並べてみるとなんだか面白い"とか、それを直接ネタにしないでずらして考えます。あと、よくよく見ると、路上に割れたパイロンが結構置いてあるんです。『面白いな』と思って、今はそれを撮影するのにもハマっています」(林さん 以下同)

林さんの言う「ずらす」とは、例えば「冷奴はうまい」は記事にならないけれども「何でも冷やすとうまい」というように「え、そうなの!?」と、何か感情が動くように、少し視点を変えることを指します。

ほかにも、立てかけてある位置がおかしい看板や意味不明なポスターなどを発見。景色と一体化されていて、見落としがちな物にいかに目を向け、「何でこれこうなっているんだろう」と、興味関心を向けるのがポイントのよう。

また、飲食店はなるべく変わった所に入る、コンビニでは食べたことないものを買う、変なデザインの雑貨・洋服を身に着けるといった行動も習慣づけているとか。

「日ごろから余計なことをしている気はします。でも、そういう"無駄"とも思える行動にも何かあると思うんですよね。失敗しても、それすらもネタになりますしね」

"苦々しさ"がアイデアにつながることも!?

新宿駅からDPZ編集部まで、普通に歩けば約15分ですが、今回は30分かけて到着しました。オフィスに案内され、林さんが見せてくれたのは定期購読しているという理工系の雑誌『科学雑誌Newton(ニュートン)』と『NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナル ジオグラフィック)』。自分と無関係の分野には、普段の生活では出くわさない気づきがあるそうです。

「『Newton』は絵本のようにパラパラめくるだけですが、ネットにない情報が書かれているので驚きや発見があるんですよ。そこで見たものを直接企画にはしませんが、世の中にはこういうのもあるんだなと、気には留めています」

ネットに精通している林さんですが、ネットサーフィンでネタを探すことはほとんどないとのこと。それはどうしてでしょう?

「既に出回っていて、もう新しさがないですからね。強いて言えば、SNSを閲覧した時に感じる"苦々しい気持ち"がアイデアの起点になることはあります(苦笑)」

SNSにアップされた儲け話や飲み会の様子などを見て、「なんなんだ、あれは」と思うことがあるそうで、ルサンチマン(ねたみや非難など)を笑いに変えると、「あるある」と共感を得られる企画になるとか。

ちなみに、DPZでは音楽や映画、アニメといったテーマを扱うのを禁止にしています。

「知識を競い合うジャンルは、分からない人を排除しようとする傾向があるので取り上げないですね。あと『頑張って痩せました』『毎日コツコツ勉強してTOEIC900点取りました』といった努力系のネタも禁止です。意外な方法が面白さなので、当たり前のやり方では企画にする意味がありません。でも無駄なことを努力していたら企画になるかな。例えば、努力して一輪車に乗れるようになりました、とか。『それをしてどうする!』っていうツッコミがありますからね(笑)」

ぼやっとしたアイデアもアウトプットしていく

気になった内容は、アプリの「Google Keep」にすぐさまメモ。ぼやっと思った程度でも書き留めることで、考えが蓄積していき、可視化されます。

「メモをしたら、内容を誰かに話すようにしています。相手の反応を見るためではなく、口に出してアウトプットすることで、『あれ? 違うかも!』と気づいたりするからです。犬に話しかけるのでもいいと思いますが、独り言だとダメなんですよね」

林さんは、会社で隣の席に座る無口な同僚に一方的に話しかけることで、徐々に企画を完成させていくそうです。

「あまり"面白い企画を立てるぞ!"と意気込んではいません。もちろん記事はバズってほしいですが、やりたくないことはやりません。日ごろから機嫌良く、のんきな気分で何事にも面白がっていれば、アイデアは出てきますよ」

林さんによれば、お昼休憩も絶好のネタ探しの時間。新しい店に行って食事をすれば、何か発見があるかもしれないとのこと。もし今、「何か面白いこと考えなきゃ」と机の前でうなっているなら、ランチを兼ねて外へ出てみませんか?

<取材協力者プロフィール>
林 雄司
1971年東京都生まれ。ニフティ株式会社勤務。「デイリーポータルZ」ウェブマスター。著書に『会社でビリのサラリーマンが1年でエリートになれるかもしれない話』(扶桑社文庫)、『死ぬかと思った』(アスペクト)など。

(名久井梨香+ノオト)

※この記事はシゴトサプリより提供を受けています

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